2015.01.18

【競馬】日本競馬の発展を願う「外国人牧場長からの提言」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Getty Images

『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第45回

2012年にダービー馬ディープブリランテを輩出し、その後もクラリティスカイ(牡3歳)などの活躍馬を世に送り出しているパカパカファーム。代表のハリー・スウィーニィ氏は、牧場の今後を考えるとともに、日本競馬の未来についても、いろいろと思いを巡らせているという。そこで今回からは、日本競馬のさらなる発展を望む、スウィーニィ氏からの提言を綴っていく――。

着飾ったセレブたちが集うなど、海外では競馬のステータスが高い。 1990年に初めて来日し、それから20年以上に渡って日本競馬と向き合ってきたハリー・スウィーニィ氏。来日したばかりの頃は、日本の馬が世界のレースに出る機会はほとんどなく、「日本の競馬について、何も知らなかった」という。しかしそれから彼は、日本競馬の"劇的な成長"を目の当たりにしてきた。スウィーニィ氏が、その変化を口にする。

「(私が来日して)この25年で、世界における日本競馬のイメージはとてもよくなりました。凱旋門賞では毎年のように有力馬を送り込んでいますし、香港やドバイ、オーストラリアやシンガポールなど、いろいろな国のGIで日本の馬が活躍しています。今では、世界中の人が『日本の馬は強い』と思っているのですから、これは素晴らしいことです」

 海外のビッグレースにおける日本調教馬の活躍はもちろん、近年はヨーロッパのトップジョッキーが短期免許を取得して日本のレースに参戦したり、あるいは、サンデーサイレンスを中心に日本で繁栄している血統が世界的に注目されたりと、世界における日本競馬の地位は飛躍的に向上した。スウィーニィ氏は、まさにその変革期を日本で過ごしてきたと言える。

 それほどの成長を見せた日本競馬だが、スウィーニィ氏は「これからすべきことがまだまだある」と語る。

「海外での日本競馬のステータスは一気に上がりましたが、今後大切になるのは、日本国内における競馬や馬主のステータスをもっとあげること。例えばヨーロッパでは、競馬や馬主はとてもステータスが高いんです。英国では、エリザベス女王をはじめ、サッカーの名門マンチェスター・ユナイテッドの元監督であるアレックス・ファーガソン、あるいは元イングランド代表選手のマイケル・オーウェンなどが馬主をしています。そして彼らは、競馬への関心が深く、自ら競走馬を所有することに誇りを持っています。そういう彼らを、世間の人たちも"セレブ"として認めています。日本ではそこまで、競馬や馬主のステータスは高くないですよね。今後は、そこに力を注がなければなりません」