【競馬】トップ厩舎が手塩にかけるディープ産駒のやんちゃ娘
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第28回:クルミナル
昨年末の有馬記念を最後に引退した世界ナンバー1ホースのジャスタウェイや、GI通算5勝のゴールドシップ(牡6歳)、さらに2013年のGI阪神ジュベナイルフィリーズを制したレッドリヴェール(牝4歳)など、数多くの活躍馬を手がけている栗東トレセン(滋賀県)所属の須貝尚介調教師。今春のクラシックを目指す現3歳世代においても、GIIIラジオNIKKEI杯京都2歳S(2014年11月29日/京都・芝2000m)を制したベルラップ(牡3歳)など、有力馬を多数抱えている。
兄ピオネロ以上の活躍が期待されるクルミナル。 そんな日本を代表するトップトレーナーの須貝調教師が期待を持って、これからデビューさせる3歳馬がいる。クルミナル(牝3歳/父ディープインパクト)だ。
クルミナルの母は、現役時代にアルゼンチンのGIを2勝したクルソラ。母となって産んだ4番仔のピオネロ(牡4歳/父ネオユニヴァース)は、昨年のGIII京成杯(中山・芝2000m)をはじめ、GIII共同通信杯(東京・芝1800m)、GII青葉賞(東京・芝2400m)など、クラシックの前哨戦となる重賞で奮闘。勝利という結果は残せなかったものの、すべて掲示板(5着以内)入りを果たした。クルミナルは、そのピオネロのひとつ下の妹となる。
関西競馬専門紙のトラックマンによると、「クルミナルに対する、須貝調教師やスタッフの評価は高い」と言う。
「クルミナルについて、須貝調教師は『馬体の見栄えがよく、能力がありそうな雰囲気』と言っていますね。体のバランスを見る限り、『2000m前後を得意とする中距離タイプ』とのことで、兄のピオネロに近いイメージで考えているようです」
クルミナルは、昨年12月にゲート試験を合格済み。1月25日の3歳新馬(京都・芝1800m)でのデビューを目標にしているという。
しかし、潜在能力については一目置かれているクルミナルだが、須貝調教師はある部分において、同馬のことを心配しているようだ。先述のトラックマンが説明する。
「クルミナルは、かなり気難しい性格のようなんです。調教でも、少し気合をつけただけでガーッと行って、止まらなくなってしまうとか。そうした精神的な部分の成長をうながそうと、放牧などにも出したようですが、あまり気性難は解消されなかったとのこと。そこに、須貝調教師は不安を抱えているようです。そのため、精神面の改善がこのまま見られなければ、さらにデビューが遅れる可能性もあります。反対に、精神面が成長し、予定どおりデビュー戦を迎えられれば、楽しみな存在と言えます」
気性面の難しさがあることから、陣営はかなり丁寧に調整しているとのこと。デビューがここまで遅れたのも、それが理由だ。
はたして、須貝調教師が期待するクルミナルは、無事にデビューの日を迎えることができるのか。じっくりと気性面の成長を待ってきた、陣営の努力が実ることを期待したい。