【競馬】シンザン記念の穴は、名手が再度操るグァンチャーレ (3ページ目)
人気薄ながら、一発の可能性を秘めるグァンチャーレ。 さて、このレースの「ヒモ穴馬」には、グァンチャーレ(牡3歳)を取り上げたいと思います。前走の東京スポーツ杯2歳S(11月24日/東京・芝1800m)のレースぶりを見て、「メンバー次第では、どこかのレースでひょっとするかも……」という感覚を得た馬です。
そのレースでは、武豊騎手が初めて手綱をとりました。彼は、戦前の低評価を考慮して、ロスのない内を回る競馬に徹し、直線でも最内を狙ってきました。勝ちにこだわる騎手だからこそ、「勝つためにはこうするしかない」という騎乗に思えました。
しかし、結果的には内側がごちゃついて、なかなか抜け出すコースができませんでした。それで7着という結果に終わってしまったのですが、手応えは最後まで十分に残っていました。おそらく武豊騎手も、「外に出しても(前に)届いたかも……」と思ったのではないでしょうか。それほど、終(しま)いの伸びは目を見張るものがありました。
今回、再び武豊騎手が鞍上を務めます。名手も2度目の騎乗となれば、より積極的な競馬で、馬のよさを一層引き出してくれるでしょう。どんなレースを見せてくれるのか、非常に楽しみです。また、東京スポーツ杯2歳S組との比較をするうえでも、グァンチャーレの走りには注目です。
プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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