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【競馬予想】安田記念で注目の4歳勢 マイル路線の絶対王者へと名乗りを上げるのは? (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

 王者ソウルラッシュは、6歳の昨秋にGIマイルCS(11月17日/京都・芝1600m)で戴冠を遂げてGIウィナーの仲間入りを果たした。今年7歳となったが、その能力はまったく陰りを見せず、むしろ上昇気配にある。4月の海外GIドバイターフ(1着。4月5日/メイダン・芝1800m)では、昨年の安田記念の覇者で香港の歴史的な名馬、ロマンチックウォリアー(2着)を撃破している。

 まさに今、日本のトップマイラーであり、伸び盛りの4歳勢にとっても高い壁となる。

 だが、その高い壁を乗り越えれば、単に安田記念の勝ち馬というだけでなく、日本競馬に待望久しい"マイル界のスター"への階段を一歩刻むことにもなる。

 では今回、4歳勢5頭のうち、最もその期待がかけられているのはどの馬か。

 いずれも捨てがたい魅力を備えているが、これまでの実績とタレント性を重視すると、ジャンタルマンタルとシックスペンスといったところだろうか。

 ジャンタルマンタルは、朝日杯FSとNHKマイルC(東京・芝1600m)とGIの勲章をふたつ手にしており、GI皐月賞(中山・芝2000m)でも3着と好走。世代トップレベルの実力の持ち主で、ここに集った4歳勢のなかでは実績的に他の追随を許さない。

 順当なら、この馬が現在のマイル戦線における「1強」「絶対王者」として君臨している可能性は十分にあった――が、そうはならなかった。3歳秋に一頓挫あって、歯車が狂った。関西の競馬専門紙記者もこう語る。

「ジャンタルマンタルが最後に勝ったのは、昨春のNHKマイルC。ほぼ1年間、勝っていません。それどころか、その間に使われたレースは昨年末の海外GI香港マイル(12月8日/シャティン・芝1600m)だけ。しかも、ふた桁着順(13着)に沈んでいます。

 同馬の状況を簡潔に言えば、順調さを欠いている、ということです。今回の安田記念も、体調がどこまで戻っているのか。能力の高さは認めても、大きな期待をかけるのはどうでしょうか」

 片や、シックスペンスはどうか。

 同馬も気がかりはある。強さと脆さを抱えている点だ。なにしろ、ここまでの成績が7戦5勝。2、3着はなく、着外が2回と明暗がくっきりと分かれているのだ。

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