【競馬予想】GIマイルCS、ブレイディヴェーグはマイル路線の絶対女王になれるか (2ページ目)
もともと素質の高さを評価されていたブレイディヴェーグだが、2度の骨折など度重なるアクシデントに見舞われて、その競走生活はデビュー以降、苦難の連続だった。陣営の思うような形でレースを使うことができず、3歳春のクラシック出走も叶わなかった。
それでも故障を克服すると、古馬相手のエリザベス女王杯で戴冠。キャリア5戦目で古馬相手のGIを勝つのは、イクイノックスと並ぶJRA最少記録だという。
その後も順風満帆とはいかなかったが、ほぼ1年ぶりの一戦で完全復活。このあと、どういった路線に進むのか、大いに注目された。
そうして陣営が選択したのは、マイル路線だった。
ただし、ブレイディヴェーグはここまでの6戦で芝のマイル戦は一度も走ったことがない。すべて1800m以上のレースだ。待望久しいスター候補ではあるが、この距離短縮、すなわちマイル戦に対応できるかどうかが唯一の懸念となる。
それに対して、「心配はないでしょう。むしろ、向くかもしれません」と言うのは、関西の競馬専門紙記者だ。
「陣営も府中牝馬SのあとはマイルCSと、当初から決めていたようです。それだけ、マイルの距離には自信を持っている、ということでしょう」
同記者が「マイルは向く」とする根拠は、同馬の非凡なスピードとキレ味。スピードについては、昨年のGI秋華賞トライアル、驚異のレコード決着となったGIIローズS(阪神・芝1800m)で、勝ち馬からコンマ2秒差の1分43秒2という速い時計をマークしていることで実証されている。
キレ味についても、過去6戦のうち、2200m戦のエリザベス女王杯を除く5戦で、メンバー最速(タイも含む)の上がりタイムをマーク。しかも、そのすべてが32秒台か33秒台で、マイル向きのキレ味は十分すぎるほど備わっていると言える。
ブレイディヴェーグがこれまで、マイルのレースを使ってことなかった点について、先の専門紙記者はこう説明する。
「3歳の春は骨折でクラシック戦線に乗れず、GI桜花賞(阪神・芝1600m)に出られませんでした。秋も当初は秋華賞(京都・芝2000m)を目指していましたが、中間でアクシデントがあって、矛先をエリザベス女王杯へと変えることになりました。何はともあれ、桜花賞出走が叶わなくなってから、大きな目標とするレースにマイル戦がなかった。それゆえ、マイルの距離を使う必要がなかった、ということです」
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