皐月賞も桜花賞に続いて混戦模様 血統分析で抜け出しそうな馬を2頭ピックアップ (2ページ目)
思えば、2021年の皐月賞を制したエフフォーリアもそれが中山での初レースで、前走で東京・芝1800mのGⅢ共同通信杯を勝ってから本番に臨んだ。ちなみに同馬は、その暮れに中山・芝2500mで行なわれたGⅠ有馬記念も勝っている。きさらぎ賞を勝ったビザンチンドリームも、中山・芝2000mでさらなる強い競馬を見せられると見ている。
血統も一流で、祖母の兄にGⅠ朝日杯フューチュリティS勝ち馬のフサイチリシャールがおり、同牝系にはノームコアやクロノジェネシスなど最近の活躍馬も多い。フサイチリシャールが勝った2005年の朝日杯フューチュリティSはまだ中山開催で(2014年から阪神競馬場に変更)、ノームコアは中山・芝2000mのGⅢ紫苑Sを3馬身差で圧勝、クロノジェネシスは有馬記念の勝ち馬と、牝系と中山競馬場の相性も上々だ。牝馬1冠目の桜花賞もエピファネイア産駒ステレンボッシュが勝ったが、その流れにも乗りたい。
もう1頭はウォーターリヒト(牡3歳、栗東・河内洋厩舎)を推す。
父ドレフォンは2022年の勝ち馬ジオグリフの父、母の父ヴィクトワールピサは2010年の勝ち馬という「皐月賞向き」の配合で、母の妹レッドアネモスはGⅢクイーンS(札幌・芝1800m)の勝ち馬。同牝系には、昨年のGⅡローズS(阪神・芝1800m)を勝ってGⅠ秋華賞(京都・芝2000m)で2着、さらに4月6日のGⅡ阪神牝馬S(阪神・芝1600m)を勝ったマスクトディーヴァがおり、牝系の勢いも十分だ。
ウォーターリヒトは、前走のGⅡスプリングS(中山・芝1800m)は2番人気・9着と敗れたが、スタートで出遅れて後方追走となり、さらに直線で他馬に接触する不利があった。きさらぎ賞ではビザンチンドリームとハナ差の2着、GⅢシンザン記念(京都・芝1600m)で勝ち馬から0秒2差の3着と重賞実績があり、阪神・芝2000mでも1勝を挙げている。ハイペースで、差しが届く展開になれば面白い。
以上、今年の皐月賞はエピファネイア産駒ビザンチンドリーム、ドレフォン産駒ウォーターリヒトの2頭に期待する。
著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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