フェブラリーSで注意すべきは展開が有利に働く古豪の一発 芝の実績馬や有力な地方所属馬には苦戦傾向あり (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku

――今年は、初のダート戦に挑む芝の実績馬に、有力な地方所属馬が何頭か出走します。そうなると、出走各馬の能力比較は難しくなってくると思うのですが、予想において注意すべきポイントなどはありますか。

大西 今回が初のダート戦となる芝の実績馬に関しては、未知の魅力から一発の期待は膨らみますが、過去のデータからして、その成功例は決して多くない、ということは頭に入れておくべきでしょう。フェブラリーSがGIに昇格して以降、ここが初ダートで馬券圏内に入った馬は、2001年に3着となったトゥザヴィクトリーの例があるだけ。それ以外は、芝で相当な実績を残してきた馬でも案外な結果に終わっています。

 今年も、ガイアフォース(牡5歳)、シャンパンカラー(牡4歳)といった芝で実績のある魅力的な2頭が出走しますが、過去の結果を踏まえると、初ダートで勝ち負けを演じるのはどうでしょうか。そのハードルはかなり高いと思います。

 また、地方所属馬についても同様のことが言えます。地方競馬では砂厚が深く設定されているため、スピードよりもパワーに重点が置かれています。しかも、東京・ダート1600mという舞台は、中央競馬の全コースのなかでも最もスピード勝負になりやすい条件設定。交流重賞で結果を出している実力馬でも、地方所属馬は全般的に苦戦してきた傾向があります。

――今回のメンバー構成からして、展開面はどう予想されますか。

大西 短距離の逃げ馬であるドンフランキー(牡5歳)が出走することで、スローにはならないと思います。同じく1200m戦を経由して出走するイグナイター(牡6歳)も前々で運びたいでしょうし、ドゥラエレーデ(牡4歳)もこれらを見ながら早めに仕掛けてくることが予想されます。

 加えて、オメガギネスやウィルソンテソーロ(牡5歳)などの上位人気馬も、前走では前目で運んで好成績を収めていることから、今回も早めに先行勢に圧力をかけていくでしょう。となると、差しタイプの穴馬には注意が必要になるかもしれませんね。

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