菊花賞はハーツクライ産駒と「父仔3代制覇」を狙うディープインパクト系に注目

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by 伊藤 康夫/アフロ

 10月22日(日)、京都競馬場で3歳馬によるGⅠ菊花賞(芝3000m)が行なわれる。

 今年の菊花賞は3年ぶりに京都競馬場で行なわれるが、GⅠ皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)馬ソールオリエンス、GⅠ日本ダービー(5月28日/東京・芝2400m)馬タスティエーラのほか、GⅡ神戸新聞杯(9月24日/阪神・芝2400m)のサトノグランツなど有力馬が順調に駒を進めてくる。

日本ダービーで3着だったハーツコンチェルト日本ダービーで3着だったハーツコンチェルトこの記事に関連する写真を見る 二冠馬を除き、その年の皐月賞馬と日本ダービー馬が出走する菊花賞は、エアシャカール、アグネスフライトが出走した2000年以来23年ぶり(この時は皐月賞馬エアシャカールが勝ち、日本ダービー馬アグネスフライトは5着)。さらに今年は、皐月賞の1~3着(ソールオリエンス、タスティエーラ、ファントムシーフ)と、日本ダービーの1~3着(タスティエーラ、ソールオリエンス、ハーツコンチェルト)の4頭すべてが出走予定。つまり、春の活躍馬が順調に夏を越し、三冠の最後のレースに臨むという形だ。

 菊花賞はここ7年、ディープインパクト産駒が通算で歴代最多となる5勝と圧倒的な成績を収めてきたが、今年はディープインパクト産駒が不参加。「新しい時代の到来」を感じさせるが、今回はちょっとその流れに逆行し、ディープインパクトより1歳上のハーツクライ産駒に注目したい。

 ハーツクライは今年、産駒のコンティニュアスがイギリスでGⅠ英セントレジャー(芝約2900m)を制した。同レースは247回を数える世界最古のクラシックレースで、日本産馬が勝ったのも、日本産種牡馬の仔が勝ったのも初めて。ハーツクライは今年3月にこの世を去り、現2歳世代がラストクロップとなるが、最後から2番目の世代で世界競馬史に残る勝利を飾ったのだ。

 菊花賞はJRAの英語サイトで「KIKUKA SHO(Japanese St.Leger)」と表記されているように、英セントレジャーを範として創立されたレース。その本家を勝利したセントレジャーを出した種牡馬の産駒が、今年の菊花賞に出走するとなれば狙ってみたくなるところだ。

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