毎日王冠で期待は衰え知らずの5歳馬と、イクイノックスに似た血統構成を持つ1頭

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 10月8日(日)、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅡ毎日王冠(芝1800m)が行なわれる。

 このレースは10月29日に行なわれる天皇賞・秋(東京・芝2000m)など、秋のGⅠの前哨戦として重要な位置づけにある。昨年のサリオス、一昨年のシュネルマイスターなど、過去10年で9頭の勝ち馬のうち7頭がすでにGⅠ勝ち馬であったか、その後にGⅠ馬となっている。今回もレースを血統的視点から占っていきたい。

 前述のように、今年も出走を予定しているシュネルマイスター(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、一昨年にこのレースを勝利している。同年はGⅠNHKマイルC(芝1600m)を勝利し、そこからGⅠ安田記念で3着、さらに約4カ月ぶりとなった毎日王冠で快勝した。

毎日王冠で2度目の勝利を狙うシュネルマイスター毎日王冠で2度目の勝利を狙うシュネルマイスター 昨年はGⅠスプリンターズSからGⅠマイルチャンピオンシップというローテーションを組んだので出走しなかったが、今年は2年前と同じく、安田記念3着からの参戦となる。5歳を迎えたが、今年はGⅡマイラーズC(京都・芝1600m)を快勝するなど衰え知らず。東京コースも5戦して2勝、2着1回、3着2回と得意にしているコースだ。

 父キングマンはGⅠ愛2000ギニーなどを勝った全欧年度代表馬で、産駒もマイラーが多いものの、今年の仏GⅠパリ大賞(芝2400m)を勝ったフィードザフレームなど中距離以上の実績馬も出している。母系を見ると、母セリエンホルデがGⅠ独オークス馬で、前述のサリオスとは「はとこ」の関係となる。ちなみにサリオスが昨年に勝った時も、ソングラインの3着に敗れた安田記念からの参戦だった。同馬と同様に、3歳と5歳時の毎日王冠制覇なるかに注目だ。

1 / 2

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る