菊花賞への重要ステップレース、神戸新聞杯の狙い目はコース適性が高い血統を持つ2頭 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by 東京スポーツ/アフロ

 前走はスローペースに持ち込んでの逃げ切りだったが、アザレア賞は4コーナー3番手から上がり3F33秒5の瞬発力を見せての差し切り。さらに、昨秋の未勝利戦(福島・芝2000m)では道中10番手から徐々に進出し、4コーナー6番手から差し切りと、さまざまなレースぶりで勝利している。どんな展開にも対応できそうな自在性も強みで、重賞初制覇に期待したい。

 もう1頭は、ハーツクライ産駒サスツルギ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)を推す。ハーツクライ産駒は、前述のようにこのコース13勝と好成績を残していて、先週の生田特別(1勝クラス)でもバロッサヴァレーが勝利している。

 サスツルギは血統がすばらしい。半兄にGⅠスプリンターズSのタワーオブロンドン(父レイヴンズパス)がいて、いとこに皐月賞馬ディーマジェスティ、GⅡステイヤーズSのオセアグレイトなど活躍馬が多数。兄がスプリンターのため、本馬の距離適性に不安を感じるかもしれないが、母の父ダラカニは仏GⅠ凱旋門賞(芝2400m)を勝った名馬で、産駒にも米GⅠBCターフのコンデュイットなど多くのステイヤーを出している。ハーツクライが相手なら、2400mはしっくりくる条件だ。

 サスツルギはすでにその走りで距離適性を証明している。1800mの新馬戦こそ4着に敗れたが、2000mの2戦目で勝ち上がると、4戦目で芝2300mの新緑賞、5戦目で芝2200mの木曽川特別を勝利と、芝2000m以上で4戦3勝2着1回と安定した走りを続けている。スタートが苦手で後方からのレースになりがちだが、最後は必ず伸びてくる末脚の持ち主で、さらに距離が延びるのは歓迎だろう。

 以上、神戸新聞杯はキズナ産駒サヴォーナ、ハーツクライ産駒サスツルギの2頭に期待する。

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