「大荒れ」の福島で馬券は紙くずと化した...が、帰り際に思わぬ「女神」がほほ笑んだ (2ページ目)

  • 新山藍朗●取材・文 text&photo by Niiyama Airo

 それにしても、この日の福島後半は妙に荒れた。第9、第10、第11レースと馬券を買い続けるも、ひとつも当たらずじまい。

惜しくも「紙くず」と化した馬券惜しくも「紙くず」と化した馬券この記事に関連する写真を見る 極めつけが第10レースの白河特別――。

 ここで少々自慢をさせていただけば、私、長年に渡るPOG(ペーパーオーナーゲーム)の愛好者で、何年か前までその世界では少しは知られた某会に所属していた。そこで、最大の"愛馬"となったのが、二冠馬ドゥラメンテ。

 もともとエアグルーヴが好きで、ダイナカールから始まるその系統を指名し続けてきた。それで結構いい思いもしてきたが、一方で「エアグルーヴ系から牝馬のA級馬は出ても、牡馬は出ない」と揶揄され続けた。現にそうで、そうした声に反論できず、ずっと悔しい思いをしてきた。

 そこへ、颯爽と"救世主"のように登場したのがドゥラメンテだ。彼がダービー馬になった時の痛快な心境は、おそらくPOG愛好者ならわかっていただけるだろう。

 そのドゥラメンテは早逝してしまったが、以来、心に決めているのが、ドゥラメンテ産駒の馬券を買い続けること。昨年末のホープフルSや今年のオークスなど、ここ最近はわりといい思いをさせてもらっている。

 そしてこの日の第10レースにも、グランドラインというドゥラメンテ産駒が出走。当然「馬券はこの馬から」というより、この馬を頭にして馬単を買った。

 再び、ところが、である。頭にしたグランドラインが2着。勝ったのは、なんと1年3カ月ぶりの休養明けで、しかも馬体重が前走比で20kgも増えていた、まったく人気のないセイウンプラチナという馬だった。

 馬連はまたも万馬券。「こんな馬券、どうやったら買えるんだ!」と毒づいた。

 今回の福島は、本当に"トンデモ馬券"の連発で、理不尽すぎた。「オレの福島でのツキもここまでか......」と思いながら帰り支度をする。

別会場の中京記念が的中してチャラに別会場の中京記念が的中してチャラにこの記事に関連する写真を見る トボトボと歩きながら場内ビジョンを見つめると、ちょうど同時開催の中京で行なわれていた重賞、中京記念が放送されるところだった。馬券は購入していたが、あまり深く考えずに買ったのでさして期待していなかった。

 すると、三度のところが、である。馬連配当4430円が見事に的中! それまでの負けがチャラになった。

 やっぱり、福島にはまだツキがある。

 最終レースは見送って福島駅へ戻り、そこから東北本線で郡山へ。さらに磐越西線で十数駅停車しながら、会津若松へ向かった。翌日の予定を考えると、ここを本日の終着点とするのがベストだった。

 会津若松に着いた時は、もうすっかり日が暮れていた。ディナーはご当地名物の喜多方ラーメンとビール。旨かったなぁ~。

最初の宿泊地、会津若松では喜多方ラーメンに舌鼓を打った最初の宿泊地、会津若松では喜多方ラーメンに舌鼓を打ったこの記事に関連する写真を見る(つづく)

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る