異様な熱気に包まれる日本ダービーでは、冷静な騎乗で愛馬をエスコートできるジョッキーに着目せよ (3ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

京都新聞杯を勝ってダービーに挑むサトノグランツ京都新聞杯を勝ってダービーに挑むサトノグランツこの記事に関連する写真を見る――では最後に、ここまで名前を挙げた有力馬以外で、大西さんが気になっている馬がいたら教えてください。

大西 川田将雅騎手が騎乗するサトノグランツ(牡3歳)です。この世代には川田騎手のお手馬が数多くいましたが、トップジョッキーならではの悩みによって、この春は1頭に絞り込むのが難しかったように感じます。結局、ダービーでは前哨戦のGII京都新聞杯(5月6日/京都・芝2200m)を勝ったこの馬に決まりました。

 お手馬が被りすぎて騎乗馬が決定したのは最後になりましたが、それでも一番魅力のある馬を選んだのではないかと思っています。3連勝中と勢いがあり、皐月賞組とはまったく未対戦だけに怖さを感じます。

 この馬の武器は長く脚が使えるところ。2400m戦にも勝ち鞍があって、距離の心配もありません。

 川田騎手は、先週のGIオークスではリバティアイランドで完勝。同じ舞台であれだけ強い勝ち方を演じたばかりですので、騎乗の感覚としても、いいリズムで騎乗することができるでしょう。

 異常なまでの熱気に包まれて、人馬が舞い上がりやすい舞台だからこそ、彼のクールな姿勢と冷静な判断力は頼もしい限りです。よって、この馬を今回の「ヒモ穴」に指名したいと思います。

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