ヴィクトリアマイルをダービージョッキーが分析 有力3頭の道悪適性と馬場悪化で浮上する伏兵候補

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

――2週連続で行なわれる府中のマイルGI。今週は古馬牝馬による「春の女王決定戦」GIヴィクトリアマイル(5月14日/東京・芝1600m)です。今年のメンバーをご覧になっての率直な印象を聞かせてください。

大西直宏(以下、大西)ワクワクするような好メンバーがそろいましたね。昨年の牝馬クラシックを賑わしたトップクラスがこぞってエントリー。そのひとつ上の5歳世代も、現役で活躍している面々がほとんど出走してきました。

 さらに、スプリント路線で中心を担ってきた馬たちも参戦。レースの面白味が一段と増した印象で、最強牝馬を決するには申し分ないメンバーが集ったと思います。

――先週のGINHKマイルCは雨中の決戦となりましたが、今週も週末は天気が崩れる模様。天候によって、狙い目は変わってくるでしょうか。

大西 東京の芝1600mは、とにかく実力が反映されやすいコースです。ですから、良馬場での高速決着となれば、実力上位の馬たちによる叩き合いになる可能性が高いと思います。

 ただ、先週もそうでしたが、パンパンの良馬場と雨の影響を受けた馬場とでは、勝ち時計がだいぶ変わります。馬場が悪くなれば、それだけ時計は遅くなりますから、そうなると伏兵馬が台頭しやすくなるのは確かです。

 そして今回も、上位人気が予想される馬たちは道悪の経験がほとんどないので、雨になったらその信頼度は下がるかもしれません。人気薄馬の激走の可能性は大いにあると思います。僕としては、良馬場での新旧女王のガチンコ対決が見たいと思っていますが、その反面、馬券的な妙味を考えると、道悪での波乱も期待したい気持ちがあります。

――当日の天気や馬場によって、かなり影響がありそうですが、上位人気が予想される馬たち、スターズオンアース(牝4歳)、ソダシ(牝5歳)、ナミュール(牝4歳)の道悪適性について、大西さんの見立てを教えてください。

大西 まずソダシですが、同馬について僕はずっと高速馬場向きのマイラーだと思っています。昨夏のGII札幌記念(8月21日/札幌・芝2000m)では5着に敗れていますが、距離以上に、時計のかかるタフな馬場に苦しんでいるように見えました。

 前走のGIマイルCS(11月20日/阪神・芝1600m)でも、前夜に降った雨の影響が残っていた分、最後に失速。3着に終わりました。もう少し速い馬場に回復していれば、もっと際どいレースになっていたと思います。となると、馬場が悪くなった場合、ソダシについては多少割引が必要だと考えています。

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