ホープフルSで問われるのは現時点での完成度。穴党記者は舞台経験ある馬とレース巧者の一発に期待

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今年の中央競馬もいよいよフィナーレを迎える。一年最後の開催を飾るのは、2歳GIのホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)だ。

 重賞に昇格して今年で9回目、GIとなってからは6回目となる。GI昇格後の過去5回のうち、4回で1番人気が勝利。おおよそ堅い決着に収まっているが、昨年は1番人気が馬券圏外に沈んだ。その辺りは、まだまだ成長過程にあり、勢力図が定まっていない2歳戦ならではのものだろう。

 そうした状況を受けて、日刊スポーツの松田直樹記者は「ホープフルSは、現状(2歳馬の12月末時点)での完成度の高さを求められるGIと言っていいかもしれません」と言って、同レースの特徴についてこう語る。

「2017年のGI昇格以降、連対馬10頭のうち9頭が4角5番手以内の位置取りで競馬をしています。また、キラーアビリティが勝った昨年は最初の1ハロンで12秒6を記録して以降、12秒台後半のラップが一度も刻まれていない、スタミナも問われる展開となりました。後方勢が追走で脚を削られるなか、好位で運んだ馬が軒並み上位を占めました。

 その一方で、2017年~2020年の4年間は、メンバー最速の上がりをマークした馬が4連勝。いずれにせよ、過去の結果が示しているのは、立ち回りのうまさが上位進出への前提条件、ということではないでしょうか」

 そうなると、舞台となる中山・芝2000mを経験しており、そこで好走している馬が有利となるのか。

「毎年、中山・芝2000mの2歳戦は15鞍前後ありますが、舞台経験のある馬でホープフルSでも上位に入った馬は、昨年3着となったラーグルフぐらい。そういう意味では、そこまでコース実績を重視する必要はないかもしれませんが、実際に同じ舞台を走ったことがある、というのは強みです。

 人気が予想されるミッキーカプチーノ(牡2歳)は、今回と同じコースで行なわれた1勝クラスの葉牡丹賞(12月3日)を快勝。しかも、この世代で唯一2分を切る、1分59秒1という勝ちタイムを記録しているので、有力視されるのも納得です」

 そう言って、人気のミッキーカプチーノに一目置く松田記者だが、穴馬候補として推奨するのは、中山・芝2000mの舞台を経験している別馬だった。

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