香港国際競走は日本馬の「4レース独占」も夢ではない。馬券面で妙味がありそうな海外馬もチェック

  • 土屋真光●撮影・文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 現地時間12月11日、海外競馬の総決算となる香港国際競走が、香港の沙田競馬場で開催される。香港ヴァーズ(芝2400m)、香港スプリント(芝1200m)、香港マイル(芝1600m)、香港カップ(芝2000m)の各GⅠレースに、日本から合計14頭が参戦。いずれの競走も日本で馬券が発売される。

 日本調教馬にとって香港は、苦戦が続く欧州と比べて距離が近く、馬場の親和性も高いとあって、ホームに近いレベルでの好成績を残すようになっている。ましてや今年は各競走にエース級の馬が遠征しているため、初の日本調教馬による「4競走独占」の達成も不思議ではない布陣といえる。

史上初の香港ヴァーズ3勝目を狙うグローリーヴェイズ史上初の香港ヴァーズ3勝目を狙うグローリーヴェイズこの記事に関連する写真を見る 香港ヴァーズでは、グローリーヴェイズ(牡7歳)が史上初となる同レース3勝目を狙う。今回が同馬にとっての引退レース。年齢を考慮し、昨年よりも間隔をとっての出走で"必勝態勢"といえる。勢いでいうとウインマリリン(牝5歳)も負けていない。このレースは牝馬が好相性であり、父スクリーンヒーロー特有の成長力を見せている同馬が、ここで待望の初GIタイトルとなってもおかしくはない。

 香港スプリントには、今年の日本の春秋短距離GIを勝ったナランフレグ(牡6歳)とジャンダルム(牡7歳)のほかに、昨年のこのレース2着馬レシステンシア(牝5歳)、メイケイエール(牝4歳)が出走。レースの実績、適性面ではレシステンシアが一歩リードだが、オセアニアの名手ジェイムズ・マクドナルド騎手を配したメイケイエールもどんな化学反応を起こすか楽しみだ。また、ジャンダルムにとっては20年前に12着に敗れた母ビリーヴのリベンジマッチでもある。

 香港マイルは、それぞれ前走マイルチャンピオンシップの雪辱を狙うダノンスコーピオン(牡3歳)、シュネルマイスター(牡4歳)とサリオス(牡5歳)が出走。いずれも前走は人気を大きく裏切った形となったが、どこまで挽回の走りを見せるか。

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