ジャパンCで注目の外国馬を血統で分析。ドイツの「超大物候補」とフランスの「世界的良血馬」に激走の予感 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 続いてはフランスのオネスト(牡3歳、F.シャペ厩舎)を推す。同馬は今年の仏GⅠパリ大賞(芝2400m)の勝ち馬で、GⅠ愛チャンピオンS(芝10F)2着になったあと、仏GⅠ凱旋門賞(芝2400m)10着からここに臨む。

 父フランケルは、今年の凱旋門賞馬アルピニスタなど欧州を中心に活躍馬を送る。日本でもGⅠオークスのソウルスターリング、GⅠ安田記念とGⅠフェブラリーSのモズアスコット、GⅠ朝日杯フューチュリティSのグレナディアガーズなど、さまざまなカテゴリーでGⅠ馬を出している。

 オネストは配合、牝系ともに興味深い。母の父シーザスターズは、今年の欧州最強馬バーイードの父であり、フランケルの父ガリレオの半弟。つまり、ガリレオとシーザスターズの母で凱旋門賞馬であるアーバンシーの血を3×3でクロスしているということだ。

 そして牝系は、曽祖母ケラリの子孫に全欧3歳牝馬チャンピオン&米芝牝馬チャンピオンのバンクスヒル、ハービンジャーの父ダンシリなど、数々のGⅠ馬がいる世界的大牝系。世界屈指のレベルの血統馬と言って差し支えないだろう。

 超良血の外国馬といえば、1996年のジャパンCを勝ったアイルランドのシングスピールを思い出す。同馬は母グローリアスソングが米最優秀古牝馬で、叔父に米2歳牡馬チャンピオンのデヴィルズバッグがいる血統。ジャパンC参戦時はカナダのGⅠを1勝しただけで4番人気だったが、ジャパンCの勝利からドバイワールドC、英GⅠレースを2勝と飛躍。引退後は種牡馬としても大成功した。良血馬というのは大レースでその素質を開花させることがよくあるだけに、オネストにも要注目だ。

 以上、今年のジャパンカップはドイツのテュネス、フランスのオネストの2頭に期待する。

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