毎日王冠はディープインパクト産駒が推し。秋の東京の幕開けをスピード自慢の2頭が飾るか

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 10月9日、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅡ毎日王冠(芝1800m)が行なわれる。

 秋の東京開幕週に行なわれるレースとしておなじみの毎日王冠は、今回が73回目。オグリキャップ、サイレンススズカ、グラスワンダーなど、多くの歴史的名馬が勝ち馬に名を連ねている。過去5年でもリアルスティール、アエロリット、ダノンキングリー、サリオス、シュネルマイスターと、GⅠ馬、もしくはのちのGⅠ馬が勝利している。

 血統を見ると、このレースの勝ち馬で目立つのがディープインパクト産駒で、2015年エイシンヒカリ、2017年リアルスティール、2019年ダノンキングリーの3頭が勝利。その3頭に共通するのが、母の父ストームキャットという配合だ。

 今年は3頭のディープインパクト産駒が出走を予定しているが、その中でストームキャットの血を持つのがレッドベルオーブ(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。

前走の小倉日経オープンを制したレッドベルオーブ前走の小倉日経オープンを制したレッドベルオーブこの記事に関連する写真を見る 同馬は祖母の父がストームキャット。母の父はアンブライドルズソングで、これは無敗の三冠馬コントレイルと同配合となる。コントレイルは3代母の父にストームキャットを持っているため、2頭は非常に似た血統構成になっている。コントレイルは2000m、2400m、3000mのクラシック三冠を勝った馬だが、1800mのGⅢ東京スポーツ杯2歳Sでは1分44秒5という驚異的な2歳JRAレコードを出しており、中距離でのスピードも素晴らしかった。

 レッドベルオーブは2歳時にGⅡデイリー杯2歳S(阪神・芝1600m)を1分32秒4でレコード勝ち。中京・芝1600mの未勝利戦でも1分33秒1のレコード勝ちを収めているように時計勝負には強く、芝の状態がいい開幕週に行なわれるこの毎日王冠は願ってもない条件だろう。

 1800mは前走の小倉日経オープンが初出走。オープン特別で、他に重賞勝ち馬がいない軽いメンバーだったとはいえ、1000m通過が57秒6というハイラップで逃げ、1分45秒5の好タイムで2着馬に3馬身差をつけての完勝だった。このタイムは、今年のGⅢ中京記念を勝ったベレヌスのタイム(1分45秒9)より速く、今年の小倉・芝1800mでは最速タイのタイムだった。

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