ハンデ戦の小倉記念は波乱含み。種牡馬別成績で浮上するハービンジャー産駒の激走と超良血のモーリス産駒に期待

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 8月14日、小倉競馬場で3歳以上によるハンデ重賞、GⅢ小倉記念(芝2000m)が行なわれる。このレースは1965年に創設。2度ほど京都で開催されたことはあったが、その他のレースは第1回から変わらない条件で行なわれ、今回が58回目となる伝統の一戦だ。

重賞初制覇を目指すシフルマン重賞初制覇を目指すシフルマンこの記事に関連する写真を見る ハンデ戦だけに波乱の傾向もある。2020年は10番人気アールスターが勝利し、2着が6番人気サトノガーネット、3着が13番人気アウトライアーズで、3連単137万4190円の高配当決着。他の年も、昨年の勝ち馬モズナガレボシは6番人気、2016年の勝ち馬クランモンタナは11番人気、2009年の勝ち馬ダンスアジョイは16番人気と、多くの人気薄馬が勝利を収めている。

 その点もふまえ、今回はこのレースを血統的視点から分析していきたい。2012年以降の「小倉・芝2000m」の種牡馬別成績を見ると、ディープインパクトが最多の51勝。以下、ハーツクライが31勝、ハービンジャーが25勝と続く。今回はこの中からハービンジャーに注目したい。

 2021年度の総合サイアーランキングで1位のディープインパクト、3位のハーツクライに対し、ハービンジャーは15位。2020年は13位、2019年は8位と上位の種牡馬ではないにもかかわらず、「小倉・芝2000m」の勝利数が3位に入るということは、この条件が特に相性がいいということだ。小倉記念では2015年と16年にベルーフが、17年にサンマルティンが2着に入っている。

 今年は2頭のハービンジャー産駒が登録されているが、筆者はシフルマン(牡6歳、栗東・中尾秀正厩舎)を推したい。

 同馬は3歳時までに3勝を挙げながら伸び悩んでいたが、昨年10月の関ヶ原S(中京・芝2000m)で約2年3カ月ぶりの勝利を挙げてオープン入り。前走の都大路S(中京・芝2000m)を勝ってここに臨む。小倉では1戦して2着。そのレースは今年2月の関門橋S(芝2000m)で、逃げ粘ってクビ差2着(3着に5馬身差)という好内容だった。

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