ハンデ戦の小倉記念は波乱含み。種牡馬別成績で浮上するハービンジャー産駒の激走と超良血のモーリス産駒に期待 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 同馬の祖母は、GⅠ秋華賞を勝ち、GⅠジャパンCでも2着に入ったファビラスラフイン。叔父がGⅡ阪神大賞典を勝ったギュスターヴクライという良血。ハービンジャー産駒で母の父サンデーサイレンスの配合は、前述のベルーフのほか、GⅠマイルチャンピオンシップの勝ち馬でGⅠ皐月賞2着のペルシアンナイトと同じ組み合わせだ。6歳を迎えて本格化を感じさせる"遅咲き馬"の重賞初制覇に期待したい。

 この条件ではモーリスの産駒も好成績を残している。まだ24戦とレース数は少ないが、7勝、2着1回、3着4回で勝率29.2%、連対率33.3%、複勝率50%という数字はディープインパクト以上。この夏も7月17日の博多Sで5番人気のルペルカーリアが勝利している。

 今回、モーリス産駒はジェラルディーナ(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が出走する。同馬は昨年の夏から秋にかけて3連勝を飾り、前走のGⅢ鳴尾記念(中京・芝2000m)で0秒1差の2着に入ってここに臨む。

 オープン入り以降は、GⅢチャレンジCで0秒8差の4着、GⅡ京都記念で0秒3差の4着、GⅡ阪神牝馬Sで0秒4差の6着と安定した走りを見せている。非凡な瞬発力が長所で、ここ3戦はメンバー中最速となる上がり3F33秒台を記録している。

 母ジェンティルドンナは「牝馬三冠」を含むGⅠ7勝という歴史的名牝。4、5歳時にジャパンC、GⅠドバイシーマクラシック、GⅠ有馬記念を制したように成長力も優れている。モーリスも4歳以降にGⅠを6勝しており、ジェラルディーナも真価を発揮するのはこの4歳夏以降になりそうで、このレースをきっかけにしたいところだ。

 以上、今年の小倉記念は、ハービンジャー産駒シフルマン、モーリス産駒ジェラルディーナの2頭に期待する。

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