堤礼実アナが独自の視点でセレクト。2022年上半期GIレース「マイベスト3」 (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 今年のダービーは、レース自体が面白かったことはもちろんですが、3年ぶりに多くのファンの方々が詰めかけて、熱気にあふれた東京競馬場で行なわれたという点において、すごくワクワクするレースでした。

 競馬というスポーツの"完成形"を見たような気がします。

 しかも、ドウデュースで勝った武豊騎手は、史上最多記録を更新するダービー6勝目。レースが終わったあとに起きた、スタンド全体からの大きな拍手は忘れられません。

 一体感のある温かい空気に包まれながら、生で競馬を観戦することの魅力を改めて感じさせてくれたという意味では、レース内容だけでなく、全体を通して印象に残っているレースです。

「ダービーはこうでなくっちゃ!」――そんな気分になったのをよく覚えています。

 そして1位は、まだ記憶に新しい宝塚記念です。

 またタイトルホルダーが勝ったレースか、と思われるかもしれませんが(苦笑)、まさに上半期の「グランプリ」と呼ぶにふさわしい豪華メンバーが集結した一戦は、非常に見応えがありました。

 スタートから勢いよく飛び出したパンサラッサがレースを作り、タイトルホルダーは2番手。最初の1000m通過タイムが57秒6という、驚異的なハイペースで進みました。

 それでいて、そのスピードに置いていかれる馬などおらず、後続もしっかりと追走。その時点で、レースのレベルの高さを感じていました。

 そうして、レースはいよいよ4コーナーから最後の直線へ。タイトルホルダーのことを「本当にカッコいい!」と特に思ったのは、ここからです。

 他馬のジョッキーたちが懸命にムチを入れるのを横目に、タイトルホルダーは余力十分にスーッと上がっていき、前を行くパンサラッサも難なくとらえてしまうのです。その瞬間に覚えた高揚感は、たまらないものがありました。

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