クイーンSは上位人気馬に不安あり。レース傾向に見合った伏兵2頭が波乱を起こす
先週から札幌競馬場に舞台を移した夏の北海道シリーズ。今週末に行なわれる重賞は、牝馬限定のGIIIクイーンS(7月31日/札幌・芝1800m)だ。
昨年は東京五輪開催による日程調整があって、函館競馬場で行なわれた同レース。2013年にも札幌競馬場の改修工事により、函館競馬場で開催されている。
それらを含めて過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は4勝、2着3回、3着2回。馬券に絡まなかったのはわずか1回と、非常に安定した成績を残している。
ただその一方で、7番人気以下の伏兵の台頭も頻繁に見られ、3連単では好配当がしばしば生まれている。1番人気が絡んでも、2016年には39万円超え、2020年には15万円超えの高配当をつけており、牝馬重賞らしく"荒れる"一戦であることは間違いない。
その"荒れる"理由について、スポーツ報知の坂本達洋記者は「ひとつの先入観がカギになっている」と指摘する。
「函館で開催された年を除けば、例年夏の札幌開催の開幕週か2週目に行なわれることが多い重賞で、ついつい馬場状態のよさから『前が有利』といったイメージを抱きがちですが、一線級と戦ってきた実力派の牝馬が集結し、小回りコースゆえに3コーナー過ぎから動きが激しくなる傾向があって、実は差し馬の台頭が多いんです。
波乱の一因をなっているのは、まさしくそこ。つまり、イメージよりも持久力やタフさが要求されるレースで、前に行く馬だけでなく、どんな位置取りの馬からでも狙える一戦なのです。とすれば、馬券検討においては、展開面の読みが大きなポイントになるでしょう」
そして、その展開のカギを握る馬が今年は上位人気であることから、「より面白味がある」と坂本記者。人気馬に対して疑問の目を向け、波乱への期待を寄せる。
「今年は上位人気が予想されるウォーターナビレラ(牝3歳)とローザノワール(牝6歳)が主導権争いを繰り広げそうで、共倒れの可能性もあって、穴党にとっては大歓迎と言えるのではないでしょうか。
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