クイーンSは上位人気馬に不安あり。レース傾向に見合った伏兵2頭が波乱を起こす (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 その前走では、1コーナーで競走中止となった馬のあおりを受けて外に大きく振られ、位置取りを下げる不利がありました。それでも、4コーナー12番手から直線差し切り勝ち。非常に中身の濃い勝利だったと言っていいでしょう。

 また、この馬は結果こそ出ていませんが、もともと3歳時には牝馬クラシック戦線を戦って、牝馬三冠レースすべてに出走。中距離向きのスタミナや持久力を備えており、最近も中距離路線で奮闘してきました。

 さらにキズナ産駒ですから、札幌の洋芝は向きそうなイメージ。そういった舞台適性への期待も含めて、大いに狙ってみたい1頭です」

 坂本記者が推奨するもう1頭は、ベテラン牝馬のフェアリーポルカ(牝6歳)だ。

「ルーラーシップ産駒で、雪の不良馬場で勝った2020年のGIII中山牝馬S(中山・芝1800m)の印象が強く、どうしても道悪が得意なイメージを持ってしまうのですが、陣営の見立ては『良馬場がベスト』とのこと。ならば、タフさを兼ね備えているのは確かですから、開幕したばかりのきれいな洋芝は大歓迎のクチでしょう。

 前走のGIII函館記念(7月17日/函館・芝2000m)では、大雨による極端な道悪で3コーナー過ぎにはすでにガス欠。大敗もやむなしでした。

 しかしながら、函館で行なわれた昨年のクイーンSでは、良馬場発表ながら雨が降る馬場でコンマ2秒差の4着と健闘。直線で一度は先頭に立つ、見せ場十分の内容でした。

 一昨年のクイーンSも、勝ち馬からコンマ2秒差の6着と善戦。洋芝は間違いなくプラス材料と見ていいでしょう。

 展開で左右される面が大きい馬ですが、長く脚が使える分、例年どおりの持久力勝負となれば、うってつけ。すべてがかみ合えば、ガラリ一変があってもおかしくありません」

 先週の中京記念でも、1番人気が馬券に絡みながら3連単の配当は14万円超えという波乱となった。クイーンSでもここに挙げた2頭が、オイシイ配当の一端を担ってくれるかもしれない。

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