国枝厩舎期待の牝馬、エルダーサインの可能性。「若干緩さが残るも新馬戦では十分勝負になる」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第2回:エルダーサイン

 いよいよ2歳戦がスタートした。ここ数年、6月にデビューした面々のなかから数多くの活躍馬が出ている。今年のGI皐月賞を制したジオグリフ、GINHKマイルCを勝ったダノンスコーピオンらも、昨年の6月にデビューしている。

 そして今年も、6月デビュー組には期待馬が多い。5日の2歳新馬(東京・芝1600m)に出走予定のエルダーサイン(牝2歳/父ハーツクライ)もその1頭だ。

 美浦トレセンの国枝栄厩舎に所属する同馬。ひとつ上の兄には、GIIIサウジアラビアロイヤルC(東京・芝1600m)を勝っているコマンドラインがいる。

エルダーサインのひとつ上の兄、コマンドラインエルダーサインのひとつ上の兄、コマンドラインこの記事に関連する写真を見る そのコマンドラインもデビュー前から評判が高く、昨年の6月5日にデビュー。1.1倍という断然の1番人気に支持され、後続に3馬身差をつける圧勝劇を披露した。

 それから約4カ月の休養を挟んで挑んだのが、サウジアラビアロイヤルC。3コーナーで2番手までポジションを上げると、直線に入って早め先頭へ。そのまま力強く脚を伸ばし、後続の追撃も振りきって重賞制覇を遂げた。

 その後、リズムを崩してクラシック戦線に乗ることはできなかったが、新馬、重賞を連勝した実力は確か。さらに、同馬のふたつ上の兄は、重賞2着が3度あり、2020年の日本ダービーにも出走しているアルジャンナ。兄姉にこうした活躍馬がいることで、エルダーサインへの注目度は一段と高まっている。

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