力ある先行馬が集った金鯱賞。末脚秘めた伏兵2頭が波乱を演出か

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 GI大阪杯(4月3日/阪神・芝2000m)の前哨戦となるGII金鯱賞(中京・芝2000m)が3月13日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は4勝、2着2回、3着1回と比較的安定した成績を残している。しかし一方で、伏兵の台頭も頻繁に見られ、3連単ではしばしば好配当が生まれている。

 例えば、2017年は1番人気のヤマカツエースが勝ったものの、2着に7番人気のロードヴァンドール、3着に13番人気のスズカデヴィアスが突っ込んできて19万2050円という高配当をつけた。さらに昨年は、断然人気のデアリングタクトが2着に敗れ、10頭立ての最低人気だったギベオンが勝利して70万円超えの高額配当が飛び出している。

 とりわけ昨年は、京都競馬場の改修工事によって、中京競馬場での開催日数が増加。その分、酷使された馬場の影響も少なくなかったとされている。となると、今年も馬場悪化によって、波乱となるのか。その点について、中日スポーツの大野英樹記者はこう語る。

「京都競馬場の改修工事により、阪神競馬場同様、中京競馬場の芝コースは今年もかなり傷んでいましたが、レース数を制限して大事に使われてきたことで、ここまで何とか維持してきました。そして、1月の第1回開催終了後には3~4コーナーの芝の張り替えを実施。現在は勝負どころの内側にはグリーンベルトができた状態にあり、開幕週は良好な馬場コンディションで開催されそうです」

 ということは、昨年よりも"荒れる"要素は軽減される。実力馬が力を示せば、平穏な決着に収まりそうなムードにある。ところが、大野記者は"展開面"をポイントに挙げてこんな見解を示す。

「基本的には先行有利の中京ですから、早めに隊列が決まれば、そのまま先行馬による決着で終わることは十分に考えられます。馬場がいい開幕週となれば、なおさらです。

 ただし、今回のメンバーを見渡してみると、レイパパレ(牝5歳)、ショウナンバルディ(牡6歳)、ジャックドール(牡4歳)と、いかにも前が速くなりそうな面々が顔をそろえました。加えて、中京の芝2000mはスタートしてすぐに上り坂。前半で各馬が競り合って流れが速くなるようだと、思わぬ馬が台頭する可能性も十分にあるでしょう」

 そこで、大野記者は穴馬候補としてポタジェ(牡5歳)の名前を挙げた。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る