有馬記念に強い馬を血統から探す。浮かび上がったのは「父仔制覇」を狙う2頭

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 12月26日、中山競馬場でGⅠ有馬記念(芝2500m)が行なわれる。

「1年を締めくくる年末の大一番」として大きな注目を集めるこの一戦。今年はGI皐月賞、GI天皇賞(秋)のエフフォーリア、GI宝塚記念のクロノジェネシス、GI菊花賞のタイトルホルダー、GIエリザベス女王杯のアカイイトと、今年のGI馬4頭を含む6頭のGIホースが出走。有馬記念に相応しいハイレベルなレースが期待される。

 今回は血統面から、有馬記念に強そうな馬を探っていこう。そのなかで筆者の注目は、アサマノイタズラ(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)だ。

セントライト記念で重賞初制覇を飾ったアサマノイタズラセントライト記念で重賞初制覇を飾ったアサマノイタズラこの記事に関連する写真を見る 同馬は春のGⅡスプリングS(中山/芝1800m)で2着に入って頭角を現し、この秋、GⅡセントライト記念(中山/芝2200m)で重賞初制覇を飾った。前走のGI菊花賞(阪神/芝3000m)は、最後方追走からジワジワと伸びたものの、勝ったタイトルホルダーから1秒4差の9着に終わっている。

 アサマノイタズラの血統を見てみよう。父ヴィクトワールピサは中山で行なわれたGI皐月賞(芝2000m)の勝ち馬であり、この有馬記念も、本馬と同じ3歳時に"女傑"ブエナビスタを破って勝利。中山ではGⅡ弥生賞(芝2000m)、GⅡ中山記念(芝1800m)を含む5戦4勝の成績を残している。

 母の父キングヘイローは中京/芝1200mのGI高松宮記念の勝ち馬だが、中山ではGⅡ中山記念を勝ち、距離不向きに思われた有馬記念でも勝ち馬から0秒2差の4着に健闘している。そして祖母の父オペラハウスは、有馬記念などGIを7勝したテイエムオペラオーの父。有馬記念、中山競馬場と相性がいい血が揃っているため、激走に期待したい。

 もう1頭は牝馬のウインキートス(牝4歳/美浦・宗像義忠厩舎)を挙げたい。同馬は今年のGⅡ目黒記念(東京/芝2500m)の勝ち馬で、前走のGIエリザベス女王杯10着からここに臨む。

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