なぜクロノジェネシスはグランプリレースに強いのか。心配されている凱旋門賞惨敗の影響

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 今年のGI有馬記念(12月26日/中山・芝2500m)では、女傑クロノジェネシス(牝5歳)の史上初となる"グランプリ4連覇"の期待がかかっている。

昨年の有馬記念を快勝したクロノジェネシス昨年の有馬記念を快勝したクロノジェネシスこの記事に関連する写真を見る クロノジェネシスを含めて、上半期のグランプリ・GI宝塚記念(阪神・芝2200m)、下半期のグランプリ・有馬記念を3連続で制した馬は、これまでに3頭いる。残り2頭は、スピードシンボリ(1969年有馬記念、1970年宝塚記念、1970年有馬記念)とグラスワンダー(1998年有馬記念、1999年宝塚記念、1999年有馬記念)だ。

 その他、連覇ではないが、グランプリレースを3勝しているのは、オルフェーヴル(2011年有馬記念、2012年宝塚記念、2013年有馬記念)、ゴールドシップ(2012年有馬記念、2013年宝塚記念、2014年宝塚記念)と2頭いる。

 クロノジェネシスを除けば、いずれも牡馬。牝馬ではクロノジェネシスが初のグランプリ3勝馬にして3連覇を達成した馬、ということになる。

 そして、今年の有馬記念を勝って4連覇達成となれば、まさに前人未到、競馬史に残る大記録にして大偉業となる。

 それにしてもなぜ、クロノジェネシスはグランプリレースに強いのか。

 グランプリ以外では、クロノジェネシスが勝ったGIは2019年の秋華賞(京都・芝2000m)のみ。ただその一戦も、同年のオークス馬ラヴズオンリーユーが不在だったため、「相手に恵まれた」と言われている。

 古馬となって本格化してからも、大阪杯(2着。阪神・芝2000m)や天皇賞・秋(3着。東京・芝2000m)、海外GIのドバイシーマクラシック(2着。UAE/芝2410m)と、際どい勝負を演じながら、なかなか勝ちきるまでには至らなかった。

 だが、グランプリレースでは、きっちり勝ちきってきた。

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