2021.12.20

ウマ娘をきっかけに人気再燃。有馬記念で3年連続3着と競馬ファンに愛された名脇役・ナイスネイチャのストーリー

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 GI勝利はおろか、2着になったこともない。それでも、ファンから長く愛される競走馬がいる。ナイスネイチャだ。

 人呼んで「ブロンズコレクター」。その異名がついたのは、この馬が年末のGI有馬記念(中山・芝2500m)で3年連続3着という偉業を成し遂げたからだ。1991年から1993年にかけてのこと。このほかにも、GIや重賞での好走は数知れず。41戦7勝という生涯成績だけ見れば派手ではないが、つねに善戦して上位に顔を出す「名脇役」だった。

有馬記念の3年連続3着と優勝できなくても愛されているナイスネイチャ有馬記念の3年連続3着と優勝できなくても愛されているナイスネイチャ この記事に関連する写真を見る  引退から25年が経った現在も、この馬の人気は根強い。それどころか、ここにきてさらにクローズアップされるケースが増えている。

 きっかけは、スマホゲームの「ウマ娘 プリティーダービー」だ。実在の競走馬を擬人化したキャラクターが走るこのゲームでも、ウマ娘のナイスネイチャが登場。みずからを「脇役」と考え、高望みはしない。「3番手でも幸せ」という。この性格はもちろん、実在のナイスネイチャから受け継いだもの。ほのぼのとしたキャラクターがウケている。

 この人気は、思わぬところにも影響を及ぼした。競走馬のナイスネイチャは、今年33歳を迎えてなお健在。同馬が穏やかな余生を過ごすために、2017年から毎年、誕生日に「バースデードネーション」という寄付イベントが行なわれている。

 2021年には、なんと3500万円以上の寄付が集まった。初年度から徐々に寄付額が増えていたとはいえ、昨年は約176万円。規格外の増え方だ。ウマ娘人気により、ふたたびこの馬が脚光を浴びたと言える。

 そこで、有馬記念を迎える今週、改めてナイスネイチャの歩みを振り返ってみたいと思う。