新女王の誕生か。宝塚記念で
クロノジェネシスが改めて示した自らの真価 (3ページ目)
今年初戦のGII京都記念(京都・芝2200m)では、牡馬相手に2馬身半差の完勝。続くGI大阪杯(阪神・芝2000m)でも、インから伸びたラッキーライラックの急襲に屈しただけで、僅差の2着とその実力を存分に披露した。
迎えた宝塚記念。際立っていたのは、馬体の充実ぶりだ。
馬体重は前走から10kg増。昨春の3歳クラシックを戦っていた頃から比べると、およそ30kg増となる。しかしその馬体からは、太めな印象など一切感じられず、競走馬としての成長と充実が示されているようだった。
主戦の北村友一騎手もレース後、「馬体重はプラス10kgで、馬体がすごくパワフルになっていました」と証言している。
たしかに、馬場の渋化は好材料となった。加えて、3コーナー手前でキセキが押し上げてきた際、少しも慌てることなく、そのキセキに馬体を合わせるようにして、クロノジェネシスを導いた北村騎手の冷静な騎乗も称えられるべきだろう。
だが、クロノジェネシスの勝利は、今に至る"成長と充実"こそ、第一の要因に挙げられるべきではないか。
次の目標は、個人的な希望を込めて言えば、現役最強馬アーモンドアイとの激突だ。それが、どのレースになるにしろ、かなり際どい勝負になる――そんな予感がしている。もし馬場が渋れば、アーモンドアイにもひと泡吹かせられるかもしれない。
日本競馬における、活況を呈する牝馬たちの頂上決戦。そこにまた1頭、新たな「女王候補」が登場した。
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