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天皇賞・秋は2強が断然ムードも
「劇薬」背にしたあの馬が一角崩すか (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 そこで今回、鞍上を替えて、昨年の雪辱を期すスワーヴリチャード(牡5歳)を「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。

得意舞台で一発が期待されるスワーヴリチャード得意舞台で一発が期待されるスワーヴリチャード「左回りがいい」ということで、昨年の天皇賞・秋では1番人気に推された同馬。しかし、まさかの出遅れとなって、キャリア唯一のふた桁着順(10着)での敗戦となりました。

 この一戦でリズムが狂ってしまったのか、以降のレースでは3着争いまでには顔を出すものの、勝ち負けに絡む連対はナシ。昨春に、GII金鯱賞(中京・芝2000m)、GI大阪杯(阪神・芝2000m)と連勝した時のような、突き抜けた強さは見られなくなってしまいました。

 そのため、今回も世間的な評価はあまり高くならないでしょうが、スワーヴリチャードにとっては、1年ぶりに戻ってきたベストな条件となる舞台。左回りで、距離も2000mぐらいが最適です。昨年は結果的に大敗を喫しましたが、天皇賞・秋こそ、同馬が最も輝きを放てるレースのはずです。

 また、このタイミングで鞍上に横山典弘騎手を起用してきたことは、とても気になるところです。

 先週の菊花賞でも、横山典騎手騎乗の16番人気ディバインフォースが、馬券圏内(3着以内)にあと一歩、というレースを披露。後方からの、あの追い込みには驚かされました。

 横山典騎手は、よくも悪くも何かを起こしてくれるジョッキーです。3着続きの現状を打破したいというスワーヴリチャードの関係者が、彼に手綱を任せたい気持ちはよくわかります。

 それまでスワーヴリチャードの主戦だったミルコ・デムーロ騎手は、今週になってランフォザローゼス(牡3歳)への騎乗が決定。そうした状況を鑑みても、やはり厩舎やオーナーのほうから、デムーロ騎手からの乗り替わりを望んだということだと思います。

 競馬ファンならわかっているかと思いますが、大舞台での横山典騎手というのは、ある種の"劇薬"。歯車が合わなければ、何もなくさっぱり、というシーンも考えられます。その一方で、うまくハマれば、今回は3着争いどころから、「2強」の一角崩し、それ以上の可能性も考えられます。

 そういう意味でも、スワーヴリチャードは「ヒモ穴馬」として、オススメです。

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