2019.10.16

菊花賞1番人気に押し出された
ヴェロックス。不安は距離よりむしろ…

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 GI菊花賞(10月20日/京都・芝3000m)のトライアル、GII神戸新聞杯(9月22日/阪神・芝2400m)は、勝ったサートゥルナーリアの強さばかりが目立った。

 だが、そのサートゥルナーリアは菊花賞には向かわず、古馬相手のGI天皇賞・秋(10月27日/東京・芝2000m)に挑戦することを早々に表明した。

 さらに、この世代のもう1頭の実力馬、GI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)2着のダノンキングリーも、秋初戦のGII毎日王冠(10月6日/東京・芝1800m)を快勝しながら、菊花賞も、天皇賞・秋もスルーして、次走はGIマイルCS(11月17日/京都・芝1600m)に向かう予定だという。

 また、これら2頭を抑えてダービー馬となったロジャーバローズは、浅屈腱炎によって、すでに引退している。

 こうして今年の菊花賞は、世代上位の能力、あるいは実績を持つ面々がこぞって”不在”という、やや残念なメンバー構成で行なわれることになった。

 こうなると、実績的に大威張りの存在となるのが、GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)2着、ダービー3着のヴェロックス(牡3歳)。前走の神戸新聞杯でも、サートゥルナーリアにこそ屈したが、3着馬には1馬身4分の1差をつけて、それ以外の馬とは力差があることを証明した。

 今や、この馬が牡馬クラシック三冠の、最後の一冠の大本命であることは、およそ衆目の一致するところだろう。

菊花賞に臨むヴェロックスは戴冠を遂げられるか そもそもヴェロックスは、昨夏のデビュー戦(小倉・芝1800m)で2着馬に8馬身差をつける、ド派手なパフォーマンスを披露。その時点で「ダービー候補」と言われた逸材だ。

 その後、2歳時には成績的に伸び悩んだ時期もあったが、3歳になると覚醒し、若駒S(1月19日/京都・芝2000m)、若葉S(3月16日/阪神・芝2000m)と、クラシックと関わりが深いリステッド競走のオープン特別を連勝した。

 そして前述のとおり、クラシック本番でも皐月賞2着、ダービー3着と奮闘。秋初戦の神戸新聞杯でも2着と力を示した。仮に、サートゥルナーリア、ダノンキングリーら能力上位の馬が出走していたとしても、それらの一角崩しの可能性を秘めた1頭として、有力視されていたに違いない。

 事実、皐月賞ではダノンキングリーに、ダービーではサートゥルナーリアに先着している。