札幌記念は4歳世代のGI馬3頭が中心も、一角崩しを狙うなら3歳馬 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 この春のローテーションについても、昨今競馬ファンの間でも囁かれているように、ノーザンファームのいわゆる"使い分け"によって、GIIアメリカジョッキークラブC(2着。1月20日/中山・芝2200m)から天皇賞・春(4月28日)へと向かったのだと思います。仮に、GI大阪杯(3月31日/阪神・芝2000m)や、GI宝塚記念(6月23日/阪神・芝2200m)に出走していても、勝ち負けを演じていたのではないでしょうか。

 何より、ルメール騎手が菊花賞以来、同馬を手放すことなく、凱旋門賞のパートナーにも選んだ馬ですから。そう考えれば、2000mの札幌記念でも問題なく力を出せるはずですし、その先の凱旋門賞に向けてもいいステップになると思います。

 先にも触れましたが、2014年のハープスターとゴールドシップは札幌記念でしっかり結果を出してフランスへ向かいました。叩き台とはいえ、フィエールマンも簡単には負けられないでしょう。

 一方、ワグネリアンも秋競馬の王道路線で主役となるためには、札幌記念でしっかりと力を示しておきたいところです。

 3歳の秋はGII神戸新聞杯(1着。阪神・芝2400m)の1戦だけ、4歳の春も大阪杯(3着)の1戦だけと、昨春のダービー(東京・芝2400m)を勝って以降はなかなか順調にいっていない状況ですが、この札幌記念はだいぶ前から目標にしていたそうです。事実、主戦の福永祐一騎手も相当前からここでの騎乗を予定していて、ワグネリアン自身もここに向けてしっかりと調整されてきたみたいですね。万全な状態でレースに臨んでくることは間違いないでしょう。

 意外にもフィエールマンとは初対戦ですが、ブラストワンピースにはダービー、大阪杯と、ともに先着しています。ダービー馬、すなわちこの世代の頂点に立った馬ですから、堂々とした競馬を見せてもらいたいですね。

 これらフィエールマンとワグネリアンの優位は動かないと見ていますが、一角崩しがあるとすれば、さらに下の世代、3歳馬ではないかと踏んでいます。そこで、今年の札幌記念に出走する唯一の3歳馬、ランフォザローゼス(牡3歳)を、今回の「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。

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