札幌記念は4歳世代のGI馬3頭が中心も、一角崩しを狙うなら3歳馬
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
夏競馬で唯一のGII戦である札幌記念(札幌・芝2000m)が8月18日に行なわれます。
年によっては、GI戦と比べても見劣りしないメンバーがそろい、「スーパーGII」とも呼ばれるこの一戦。夏の北海道シリーズ、さらには夏競馬全体のメインイベントと言ってもいいほどのレースです。
そして今年も、フィエールマン(牡4歳)、ワグネリアン(牡4歳)、ブラストワンピース(牡4歳)といった4歳世代のGI馬が3頭出走。「スーパーGII」と呼ぶにふさわしい豪華な顔ぶれがそろいました。ただ、同世代のクラシックホースとグランプリホースの3頭が顔を合わせることなんて滅多にありませんから、今回は「スーパーGII」をしのぐ、GI級のレースと見てもいいでしょうね。
そんなレースにあって、フィエールマンとブラストワンピースは今回、GI凱旋門賞(10月6日/フランス・芝2400m)に向けたステップとして出走するようですね。2014年にも、ハープスターとゴールドシップが札幌記念をステップに凱旋門賞に挑戦。その時の札幌記念では、両馬がマッチレースを展開し、見事にワンツーを決めて、凱旋門賞への期待も高まりました。
もちろん、今年も"チームジャパン"への期待を高める意味でも、4歳世代のGI馬3頭がレースの中心になると踏んでいますし、実際に僕もこの馬たちに注目しています。
なかでも、GI2勝のフィエールマンと、ダービー馬のワグネリアン、この2頭の評価は甲乙つけ難いところです。ブラストワンピースも、凱旋門賞挑戦を控える身としては、恥ずかしい競馬はできないでしょうが、今回に関しては、先の2頭をより有力視しています。
フィエールマンに関しては、勝っているGIがいずれも3000m超の長距離戦であることや、今回はあくまでも凱旋門賞へのステップレースであることから、「札幌記念では力を出し切れずに終わるのではないか?」といった意見も耳にします。
しかし僕は、そうは思いません。確かに菊花賞(京都・芝3000m)と天皇賞・春(京都・芝3200m)を勝っていることで、長距離馬のイメージが強くなっていますが、そもそもフィエールマンの本質は中距離馬だと思っています。デビューからしばらくは1800m戦を使ってきましたし、2つのGIタイトルはどちらも、距離が合っていたというより、同馬のポテンシャルの高さと手綱を取ったクリストフ・ルメール騎手のうまさで勝ち取ったと思うからです。
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