名手ぞろいのキーンランドC。
晩夏を彩るベテランの一撃に期待大 (2ページ目)
モレイラとくれば、次はやはりクリストフ・ルメール騎手です。なんといっても、今の札幌開催では、モレイラ騎手と熾烈なリーディング争いを展開。ふたりがワンツー、あるいはワンスリーでフィニッシュを飾るシーンも非常に多いです。
ルメール騎手がここで手綱を取るのは、GII京王杯スプリングC(5月12日/東京・芝1400m)でレコード勝ちを収めたムーンクエイク(せん5歳)です。京王杯SCで初めてマイルより短い距離のレースに出走しましたが、マイル戦のときよりも、溜(た)めの効いた決め手を繰り出せていたと思います。
これは、この馬の短距離適性の高さを示すものかもしれません。今回はさらに距離が短縮されますが、マイナス面はないように感じます。逆に、適性の高さをより見せつける可能性がありますね。
懸念があるとすれば、最も重い58kgという斤量でしょう。短距離戦のほうが、斤量差の影響は大きいですからね。しかしそれでも勝つようなら、秋の大舞台、GIスプリンターズS(9月30日/中山・芝1200m)でも"主役"になり得るでしょう。
モレイラ、ルメールとくれば、次にくるのはミルコ・デムーロ騎手。キーンランドCで騎乗するのは、キャンベルジュニア(牡6歳)です。今回が初騎乗になりますね。
先に触れた、京王杯SCを制したムーンクエイクの2着となった同馬。この馬もまた、今回が初のスプリント戦となります。その走りからは、ムーンクエイクほどの適性は感じませんが、手綱を取る騎手のことを考えれば、やはりこの馬にも注意が必要でしょう。
この他、日本人騎手も武豊騎手をはじめ、戸崎圭太騎手、福永祐一騎手、田辺裕信騎手、岩田康誠騎手ら、リーディング上位騎手が顔をそろえています。そうした面々のなかで、実は北村友一騎手にもっとも注目しています。
北村友騎手はこの夏の主戦場は小倉で、同開催のリーディングを争っています。大事な終盤を迎えて、できれば腰を据えて小倉で騎乗したいところでしょう。
しかし今回、土曜日は小倉で騎乗するものの、日曜日には札幌へ遠征します。そのお目当ては、キーンランドCで手綱を取るダノンスマッシュ(牡3歳)でしょう。
そこまでするのですから、この馬にはかなりの感触をつかんでいるのだと思います。まだ「トップジョッキー」と言われるほどの地位は築いていませんが、北村友騎手がどんな騎乗を見せてくれるのか、楽しみです。
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