ダービー馬ワグネリアンの全弟、
カントルも「いい切れ味を秘めている」
厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第14回:カントル
すべての競走馬が目標とする3歳クラシック。その一生に一度の舞台のなかでも、頂点に位置するのが、例年5月末に行なわれるGI日本ダービー(東京・芝2400m)だ。
今春、このレースを制して栄光をつかんだのは、福永祐一騎手が手綱を取ったワグネリアン(牡3歳/父ディープインパクト)だった。
昨年7月にデビューしたワグネリアンは、かねてから「大物」と評判だったヘンリーバローズとデビュー戦で激突。新馬戦らしいスローペースの展開のなか、直線に入るとその2頭が早々に抜け出して、最後は3着以下を5馬身も引き離すマッチレースを見せた。
そして、熾烈な2頭の叩き合いを制したのは、ワグネリアン。上がり32秒6の末脚を駆使して、ライバルをハナ差退けた。
その後、ワグネリアンはオープン特別、GIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)と連勝。クラシックの最有力候補に躍り出た。
しかし、明けて3歳になると、始動戦となったGII弥生賞(中山・芝2000m)で2着、クラシック第1弾のGI皐月賞(中山・芝2000m)では7着と、まさかの連敗を喫した。
とりわけ皐月賞では、弥生賞で苦杯を舐めた最大のライバル、ダノンプレミアムが直前に出走を回避。1番人気に推されながら、見せ場なく馬群に沈んで、多くのファンを失望させた。
迎えたダービー。その皐月賞の結果を受けて、ワグネリアンは5番人気まで評価を落としていた。だが、同馬はこの最高峰の舞台で"真価"を発揮した。
1 / 3