アンカツ氏が自信ありげ。桜花賞、オークスを占う「3歳牝馬番付」 (3ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

大関:アーモンドアイ(牝3歳)
(父ロードカナロア/戦績:3戦2勝、2着1回)

 シンザン記念(1月8日/京都・芝1600m)で見せた末脚は見事だった。出負けして位置取りが最後方になったけど、道中少しも慌てず、直線を向くと前にいた馬たちをゴボウ抜きしていった。

 この馬のいいところは、何よりもあの豪脚。追えば追うだけ伸びてくる。よく言う「追ってからしっかりしている」というのが、一番の長所だろうね。3歳のあの時期に「牡馬相手の重賞で走らせよう」という陣営の意気込みも買いだ。

 しかも、この馬はまだラッキーライラックと戦っていない。いわゆる勝負づけが済んでいないわけで、そこに未知の魅力がある。

 父親が短距離馬ロードカナロアという点を不安視する声もあるようだけど、ロードカナロア自身、キングカメハメハの子だし、短距離しか走れない馬ではない。個人的にはそう見ている。現にマイルのGIを勝っているし、走らせれば2000mもこなせたと思う。

 アーモンドアイも、それぐらい(の距離)は持つんじゃないか。初年度産駒だから、成長力という点はわからないけど、それはラッキーライラックも同じ。レース間隔が開いているけど、牝馬だし、そこは心配いらないと思う。

関脇:リリーノーブル(牝3歳)
(父ルーラーシップ/戦績:4戦2勝、2着1回、3着1回)

 阪神ジュベナイルフィリーズ(2017年12月10日/阪神・芝1600m)が2着で、チューリップ賞は3着。どちらも勝ったラッキーライラックには及ばなかったけど、そもそもの能力が世代トップレベルにあるのは間違いない。

 前走のチューリップ賞では、やや力んで走っているような感じがした。トライアルということで、いつもより前で競馬をさせたんだけど、それが力みにつながって、末脚も少し鈍ったんだろうね。

 阪神JFより着順を落として、一見、差は広がったように見えるけど、前哨戦だから"試した"ということを考えれば、悲観することはまったくない。今度はこの馬本来の、折り合い重視で末脚勝負に徹するはずだ。

 この馬は見た目にも"力馬"という印象があるから、時計が速い馬場の競馬には限界がありそう。ラッキーライラックとの差は、速い馬場への適性の差とも言えるんじゃないかな。

 ということは、雨が降って重い馬場にでもなったら、反対に今度はこの馬のパワーが生きる。そのときは、ラッキーライラックを負かす可能性もあると、個人的には見ている。

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