JCでキタサンブラックを倒せるのは、
未対戦のレイデオロしかいない

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 秋の「古馬三冠」の第2弾、GIジャパンカップ(東京・芝2400m)が11月26日に行なわれる。その「三冠」3戦をもって年内での引退を表明しているキタサンブラック(牡5歳)が、一冠目となる天皇賞・秋(10月29日/東京・芝2000m)を快勝し、ここでも断然の支持を集めて、昨年に続く連覇が濃厚と見られている。

 キタサンブラックにとって、この秋初戦となった天皇賞・秋。当日は1番人気に推されたものの、大惨敗を喫した宝塚記念(9着。6月25日/阪神・芝2200m)以来のレースで、土砂降りの不良馬場という不確定要素も相まって、決して"1強ムード"というわけではなかった。

 レースにおいても、スタートで致命的ともいえる出遅れ。早々に万事休すかと思われた。だが、そこからキタサンブラックは泥田のようなインコースをじわじわと進出。他の馬が避けたぬかるみをものともせず、直線半ばで堂々と先頭に踊り出ると、サトノクラウン(牡5歳)に迫られながらも、最後は余裕すら感じさせる走りを見せて1着でゴール板を通過した。

 出遅れや道悪をまったく意に介さない走りは、キタサンブラックの圧倒的な強さが強調される形となった。結果、ジャパンカップでは"1強ムード"の様相が色濃くなっている。

 はたして、誰がこの"現役最強馬"を止めることができるのか――。

 既存勢力とは完全に勝負づけが済んでしまった現状を踏まえれば、いまだに対戦がなく、相応の格を持つ馬がその候補となる。なかでも、その筆頭は、やはり今年の日本ダービー馬レイデオロ(牡3歳)となるだろう。

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