JCでキタサンブラックを倒せるのは、未対戦のレイデオロしかいない (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 ただ、そうはいっても今年の3歳世代は、2歳時から「牝馬はハイレベル」と言われてきた。そして実際、ダービーの勝ち時計はオークスより2秒以上も遅かった。その分、いまだ3歳牡馬の実力については疑問視されている部分がある。

 だが、そんな今年のダービーのレース内容、さらにはその勝ち時計を鑑(かんが)みても、むしろ「買い」の材料になる、と木南記者は言う。

「ダービーの勝ちタイムが遅かったこと、ダービーの展開が異色だったことから、レイデオロの実力に疑いの目が向けられても仕方がないと思います。ただ、ちょっと皮肉な面があるんですが、藤沢和師がいつも悔しそうに振り返る(管理馬だった)ペルーサが負けた(6着)2010年のダービーも、超スローペースだったんですよ。タイムも今年と同じ2分26秒9と遅かった(勝ち馬はエイシンフラッシュ)。

 でも、その年のジャパンカップは、繰り上がりとはいえ、ダービー2着のローズキングダムが勝って、同3着のヴィクトワールピサが3着と好走。そういう意味では、ダービーの勝ちタイムが遅かったことを心配する必要はありません。

『遅い時計=低レベル』ということはないと思いますし、個人的な感想ですが、ダービーを好時計で勝つということは、その後の反動も大きいのではないでしょうか。現に、レコードを記録したキングカメハメハやドゥラメンテは、ダービーのあとに故障していますからね。それに比べて、ダービーを遅い時計で勝ったレイデオロは、消耗度も少なかったのでないか、と」

 消耗度で言えば、極悪馬場の天皇賞・秋を使った組と比較しても有利だ。

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