真夏の小倉競馬場で、昼から
ほろ酔いになって「悪夢」を見る

  • 土屋真光●旅人 Traveler&text&photo by Tsuchiya Masamitsu

「夏競馬」珍道中~西日本編(7)

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「旅打ち」第2ラウンドの舞台となった小倉競馬場。photo by Eiichi Yamane/AFLO「旅打ち」第2ラウンドの舞台となった小倉競馬場。photo by Eiichi Yamane/AFLO 西日本を巡る夏競馬の「旅打ち」は、第2ラウンドの小倉競馬。まだまだお昼過ぎだというのに、一発目の勝負で的中し、場内の特設バーですっかりほろ酔い気分になっていた。

 次なる勝負は、第6レースの3歳未勝利戦(芝2000m)。人気は、デビュー以来3戦していずれも3着以内の7番ムーチャスエルテと、近走の内容に安定感のある17番ゴールドラッシュ。ムーチャスエルテは初距離という不安を抱えるが、片やゴールドラッシュはこの距離ですでに3着が2回ある。配当的にもこちらのほうに妙味があるので、ゴールドラッシュを軸にした。

 馬券は、ゴールドラッシュからの馬連複。相手は、ムーチャスエルテを厚めにして、芝2000m戦で3着が3回ある16番ナムラルパン、持ちタイムは悪くない9番メイショウメリリー、そして前走は馬場悪化に泣いた12番テーオーピコタンの4頭にながすことに決めた。

「さ~て、馬券を買いに行こうか」

 そう思った瞬間だった。

 プルルルル~。

「ただいま、小倉競馬第6レースを締め切りました」

 お馴染みのベルと案内放送が場内に響いた――まさかの、買い漏らしである。ほろ酔いで、締め切り時間まで忘れていた。

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