【競馬】史上最高のJCを制すのは「次元が違う」ハープスター
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
秋の古馬三冠レース(天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念)の第2弾、第34回ジャパンカップ(東京・芝2400m)が11月30日に開催されます。
第1回が行なわれたのは、1981年。僕はまだ見習騎手(※)だったのですが、師匠(中尾銑治元調教師)の管理馬ゴールドスペンサーで騎乗機会をいただきました。結果は5着でしたが、思い出深いレースのひとつですね。
※免許取得3年未満で通算勝利数100回以下の騎手は「見習騎手」と呼ばれ、平場のレースなどでは重量の減量制度がある。また、現在の規定では通算勝利数が31勝に満たない騎手はGIに騎乗できない。
以来、ジャパンカップではこれまで、世界的な名馬も数多く参戦。国際GIにふさわしいレースが繰り広げられてきました。ただ近年は、外国馬の参戦頭数が減って、超一流と言われる馬が来日することはほとんどありません。おかげで"日本で最も賞金の高いGI"という位置づけに変わってきたような印象を受けます。
もちろん、日本馬のレベルが上がったこともあるでしょう。結果、一流の外国馬でも"アウェー"の地ではだんだん結果を出せなくなって、遠い日本のレースに無理をして参加しようとは思わなくなったのかもしれません。
そういう意味では、今や「ジャパンカップ=日本一決定戦」と言えなくもありません。それはそれで、非常に楽しみなレースになりましたね。実際、今年は「史上最強」と言われるほどの豪華メンバーとなりました。ゴールドシップ(牡5歳)を除いて、現在考えうる日本の現役トップクラスの馬がすべて集結したと言えます。
これだけの面々が顔をそろえるのは、本当に稀(まれ)なこと。まさしく「日本一決定戦」であり、勝った馬が今年の年度代表馬に選ばれるのはないでしょうか。
まずは昨年、ジャパンカップ史上初めて連覇を達成したジェンティルドンナ(牝5歳)に注目しないわけにはいかないでしょう。
一昨年、3歳時に挑戦したジャパンカップでは、凱旋門賞帰りのオルフェーヴルをはじめ、日本馬だけでも10頭のGI馬が出走。今年以上とは言えないまでも、当時の現役最強メンバーが顔をそろえていました。その中で、3歳牝馬ゆえの斤量の恩恵(3歳牝馬=53kg、3歳牡馬・古馬牝馬=55kg、古馬牡馬=57kg)を受けたにせよ、あのオルフェーヴルに競り勝った強さは、尋常ではありませんでした。
1 / 3