【競馬】女傑シーザリオが送り出す、兄に匹敵する「大器」 (2ページ目)
「育成を担当したノーザンファームのスタッフは、『クローディオに乗ると、時計の感覚が狂う』と言っていました。どういうことかというと、騎乗者の感覚よりも、実際のラップタイムが1~2秒速いらしいんです。それだけフットワークが軽いということで、これは能力が高い証明です」
育成段階で早くも抜群のポテンシャルを見せてきたクローディオ。ゆえに、「素材の良さはすでに表れているので、あえて焦らず、じっくりと調整を進めています」と永島氏が語る。暑さの厳しい時期はペースを上げず、ここまで丹念に乗り込まれてきた。
そして8月末、クローディオは満を持して栗東・石坂正厩舎に入厩。坂路での調教も開始している。母は12月、兄は10月のデビューだったことから、同馬も「馬本位で調整されていくと思いますが、秋以降のデビューを前提としています」と、永島氏は今後の見通しを語る。
「兄のエピファネイアは、シンボリクリスエスの産駒らしいシルエットのきれいさがありました。クローディオはそれよりもがっちりしていて、何度見ても迫力があります。これほどの馬なので、デビュー戦から万全の態勢を整えて臨みたいと思っています」(永島氏)
母や兄の活躍からも、クローディオが見据えるのは、当然ながらクラシック制覇。新馬戦から質の違いを見せつければ、「王道路線」を歩んでいくことは間違いない。偉大なる日米オークス馬の子、クローディオの動向から目が離せない。
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