10年前、「いつまで現役?」と聞かれたカズの答えとは

  • 渡辺達也●取材・文 text by Watanabe Tatsuya photo by FAR EAST PRESS/AFLO

ベテラン記者が明かす、知られざる「キング・カズ伝説」 前編

 6月28日のJ2第20節、横浜FCの三浦知良は、アウェーの水戸戦でロスタイムに今季3点目を決め、チームは1-0で勝利。自身の持つ最年長ゴール記録を48歳4カ月2日に伸ばした。衰えを知らないレジェンド、「キング・カズ」の知られざる伝説を、ベテラン記者が振り返る――。

48歳となった現在も現役を続ける「キング・カズ」三浦知良48歳となった現在も現役を続ける「キング・カズ」三浦知良 1999年、カズは32歳でクロアチアのザグレブから京都パープルサンガ(現京都サンガ)に移籍。当時は誰もが、京都で現役を終えると思っていた。

 カズ見たさに、京都の練習場には連日ファンが殺到。収拾がつかなくなったクラブは、カズが安全に通れるようにロープを張った。この通路は"カズ・ロード"と呼ばれた。

 その頃の京都は負けが多く、勝った試合後には、カズの「祝勝会に行くぞ」のひと言で、みんながカラオケで盛り上がった。そして、負けた試合の後も、「よ~し、残念会に行くぞ」となる。

 選手のなかには、「カズさん、あまり気が乗らないんですけど......」という者もいたが、「なに言ってんだ」と強引に連れて行かれる。残念会といってもやっていることは祝勝会と同じで、カラオケで騒いで負けた悔しさを発散させる。

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