豊田陽平インタビュー「今季の鳥栖は甘えが出ている」
豊田陽平が語るJリーグ第1ステージとハリルジャパン(前編)
ロシアワールドカップに向けた第一歩となるアジア2次予選の初陣。シンガポール戦の招集メンバーに豊田陽平の名前はなかった。直前の代表候補合宿には呼ばれていた豊田は、その時点でJリーグファーストステージ得点ランク1位と結果を残していたが、代表リストからは外された。
「世代交代」
メンバー外になった理由をそう説明する声は少なくない。
しかし今年30歳になったばかりの男を"ロートル扱い"は不当だろう。今シーズンの豊田はガンバ大阪の宇佐美貴史と同じく、史上19人目となる6試合連続得点の記録を作っている。過去3シーズンは連続15得点以上を記録し、日本人選手では三浦知良、武田修宏、中山雅史以来、12年ぶり史上4人目の快挙となった。そもそも今季を含めた過去4年間のJリーグ得点数で、豊田以上の選手は一人もいない。
第1ステージは12ゴールをあげ得点ランキング2位だった豊田陽平 満員の埼玉スタジアムで行なわれたシンガポール戦は、期待はずれのスコアレスドローに終わった。圧倒的優位で試合を進め、指揮官は「670回もパスをつなげた」と強がっている。しかし、プロと高校生ほどの実績と立場の差がある相手に無得点だった。
その翌日、元日本代表である三浦知良がスポーツ紙の取材で一つの提言をしていた。
「豊田やハーフナー(マイク)のように、ヘディングが強い選手を前に一人置くだけでも、違うんじゃないかな。空中戦に強い選手がいると、ヘディングで落とすとか、バリエーションも広がる」
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