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【木村和久連載】セルフプレーが主流になったゴルフラウンドの今 ナビボードの性能も格段にアップ (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa

 どういうことかと言うと、昔のキャディさんであれば、林にボールを打ち込んだら「はい、7番アイアンを持って」と、かなりプレーヤーに関与してきました。20年ほど前の話ですけど、ショートホールではキャディさんが初心者にクラブを勝手に配っていましたからね。「あんたは、7番で」「あんたは、力まず8番で軽く」といった案配で。

 今は、そういうのはないですね。できるキャディさんは、「林に入ったときは何を使います?」「アプローチはSWでいいですか?」って、あらかじめ聞いてきます。

 キャディさんの一番の腕の見せどころだったグリーン上のライン読みに関しても、今では皆がセルフプレーに慣れているので、プレーヤーに好きに打たせています。プレーヤーも悩んで困ったときだけ、キャディさんにアドバイスをもらっている。そういうパターンが多いです。

思えば昔のキャディさんは、初心者が打つクラブを勝手に選んだりしていましたね... lustration by Hattori Motonobu思えば昔のキャディさんは、初心者が打つクラブを勝手に選んだりしていましたね... lustration by Hattori Motonobuこの記事に関連する写真を見る そもそも今のプレーヤーの多くは、キャディさん慣れしていません。セルフプレーばかりしているので、どう接していいかわからない、というところがあるようです。

 昔はパットが入らないと、キャディさんに食ってかかる人がいました。「ウソばっかり教えるね」とか、嫌みを連発したりして......。

 キャディさんというのは、やはり古き良きメンバーコースでこそ、存在価値が高まるものなのでしょう。

 20~30年前に、南総カントリークラブ、鶴舞カントリー倶楽部のメンバーだった頃、キャディ付きが基本でした。そうなると、キャディとの相性などが生まれたりして。あるいは、互いのクセがわかったりとか。

 もちろん各コースにはエースキャディがいて、大きな試合の大事な場面には、そのエースキャディが登場するんですよね。自分も何回か付いてもらいましたが、ほんとグリーンのことはよくわかっているんですわ。

 キャディ付きラウンドは、ひとつの文化だったのかもしれません。

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