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有村智恵に聞く優勝争いのプレッシャーに打ち勝つ方法  メンタルが強い女子プロは? (2ページ目)

  • text by Sportiva

【ショートゲームまで不調だと、もうどうしようもない】

――では、本当に調子が悪いと短期間での修正は難しいんですね。

 でも、自分の調子の悪さを受け入れるようになっていれば、"今の状態でどうスコアメイクをするか"に集中できます。たとえば、パッティングさえ入ってくれれば、パッティングを重点的に調整して、ショットは少し散らばっているけれど、次の日はどうにかパットでスコアメイクできたっていう経験もありました。

 パッティングは特に一番大事かな、と思います。ショットでどんなに大きなミスをしたとしても、ピンに寄せてから2、3メートルのパットが入れば、なんとかパーで上がれることも多いんです。特にプロのレベルだったら、グリーンの近くにさえ行けば、アプローチとパターでスコアは作れるので。

 そのショートゲームの調子が悪い時は、本当にもうどうしようもないな、と思います。ショットの不調だけであれば、ショートゲームでカバーはできます。

――先日、有村さんがこの連載でも言及されていたルーキーの政田夢乃選手が、NEC軽井沢72ゴルフトーナメントで最終ホールまで優勝争いを演じるも、18番ホールのミスで惜しくも初優勝を逃しました。初優勝というプレッシャーもあったと思うのですが、どんな印象を持たれましたか?

 ショットもキレていますし、パッティングもしっかり打てるタイプの選手だなと、特に(最終日の)17番ホールのパットを見て感じましたね。(17番ホールのバーディーで単独首位に立ちながらも、2打目をグリーン左横の池に落としてしまった)18番ホールの第2打は、「ちょっとクラブが深く入ったかな?」とは思うんですけど、それが緊張からのミスなのか......。でも、その後の(グリーンを捉えられなかった)リカバリーショットは、ちょっと緊張もあったのかもしれませんね。

 でも、彼女は今年たくさん試合に出ていたわけじゃないですよね。今はリランキング()でツアーに出ていると思うのですが、まだそんなにレギュラーツアーの試合数をこなせてないなかで、あそこの位置で戦う経験ができたのは、すごく大きいと思います。優勝を逃してしまったという悔しさ以上に、「自分も優勝できるかも」という気持ちを強く持てた試合になったんじゃないかな、とも思うんです。

QTランキングに基づき付与されたJLPGAツアーの出場資格を、シーズン途中のリランキング基準競技終了後にメルセデス・ランキング上位順に並び替える制度

 「優勝できるかも」っていうレベルまで持っていって、その先を埋める方が圧倒的に時間は短く済む可能性が高いので、すでにそこのレベルまで持っていけている時点で手応えもあったでしょうし、私たちも彼女に対して「実力も伴っていて、攻めるプレーができる選手」という印象に変わりましたから、これからどんどん化けていってほしいですね。

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