「子どもを授かることすら難しい」を払拭したい 有村智恵が「LADY GO CUP」を通して実現したい女子ゴルフの未来像 (2ページ目)

  • text by Sportiva

【ゴルフにはいろんな楽しみ方があることを知ってもらいたい】

――「LADY GO CUP」を、今後どのような形に発展させていきたいか、また、どのようにゴルフ界に貢献していきたいかなど、お考えをお聞かせいただけますか。

「ゴルフのいろいろな形を見せていきたいな」と考えています。JLPGA主催のレギュラーツアーやステップ・アップ・ツアー、レジェンズツアーという、純粋なストロークプレーの個人の戦いは、すでにベースとしてあります。でも、ゴルフっていろいろな楽しみ方がありますよね。

 7月に開催した「KURE LADY GO CUP 2024」は、ストロークではなく、ポイント制だったんです。ボギーを打っても関係ない(ポイントは減らない)から、選手には"とにかく攻めてほしい"、見ている皆さんには"攻めるゴルフの楽しさを知ってもらいたい"という思いがありました。

 この試合は、9ホールで争う形式だったのですが、9ホールにしたのも、天候も不安定な時代になってきているので、屋外で実施するスポーツの今後がわからないなか、18ホールやらないと成立しない試合は、競技としてはもう持たないかもしれないな、と思う部分もあって。だから、(協賛してくださる)企業の方にもそうですし、応援してくださるファンの方々にも、「こういう形だったら、長く応援できるかも」って思ってもらえる、新しい形を見つけられたらいいですよね。

 今回のポイント制も新しい試みですが、女子プロゴルファーだけでの試合ではなく、たとえばジュニアと女子プロゴルファーが一緒に回るのも面白そうですし、今はいろいろな競技のアスリートがゴルフやってくださっているので、ゴルフが好きな女子アスリートと女子プロのペア、とかも面白そうだな、と思っています。

 根っこは、私が面白そうと思ったことをやっているのですが、"ゴルフっていろんな楽しみがあるよ"っていうのを、この大会を通して皆さんに知ってもらいたいんです。

――出場している女子プロゴルファーには、どのように還元していきたいとお考えですか?

「LADY GO CUP」は、今はほとんどの試合をBSJapanextさんに中継していただいて、メディアの露出にはこだわっています。女子プロゴルファーの活動の場は広がっていて、「LADY GO CUP」に出場している選手のなかにも、解説で活躍されている方もいれば、会社を経営されている方、普段はレッスンプロとして活動されている方、もちろん現役ツアープロとして活躍をされている方もいらっしゃって、いろいろな選手の今の活躍を知ってもらいたいっていうのも「LADY GO」の思いのひとつです。

「LADY GO CUP」という試合を、自分をアピールする場にしてもらいたいので、試合の中継のなかで、「この人に教わるには、ここに行ってくださいね」みたいなアピールもできたら面白いですし、たとえばYouTubeチャンネルを持っている方には「ぜひ現地でYouTubeの撮影をしてください」とお伝えもしています。

 試合で結果を残すだけじゃなく、自分のやりたいことを、とことん皆さんに実現してもらえる場所にしたいので、見ている方々にも、"この選手を応援したいな"っていう女子プロを見つけていただけたらうれしいですね。

「有村智恵のCHIE TALK」 次回は9月10日(火)に更新予定

【Profile】有村智恵(ありむら・ちえ)
1987年11月22日生まれ。プロゴルファー。熊本県出身。
10歳からゴルフを始め、九州学院中2年時に日本ジュニア12~14歳の部優勝。3年時に全国中学校選手権を制した。宮城・東北高で東北女子アマ選手権や東北ジュニア選手権、全国高校選手権団体戦などで優勝。2006年のプロテストでトップ合格。2007年は賞金ランク13位で初シードを獲得した。2008年6月のプロミスレディスでツアー初優勝。2013年からは米女子ツアーに主戦場を移した。2016年4月の熊本地震を機に日本ツアーへ復帰。2018年7月のサマンサタバサレディースで6年ぶりの優勝を果たすなど、JLPGAツアー通算14勝(公式戦1勝)をあげる。
2022年に30歳以上の女子プロのためのツアー外競技「LADY GO CUP」も発足させた。
2022年11月に、妊活に専念するためツアー出場の一時休養を表明。2024年4月に双子の男の子を出産した。

◆インタビュー完全版を動画で見る
https://youtu.be/-cM5eK3jajE

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