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無名の女子高生が渋野日向子らとプレーオフ。女子ツアーに現れた「大器」佐藤心結は歴戦のプロをしのぐ飛距離が武器 (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 プレーオフということで、私は緊張していて、頭の中が真っ白になって、どこかフワフワしていたんですね。そんな時、渋野プロから『ぜんぜん緊張していないように見える』と声をかけてくださって。とても優しい方でした」

――緊張していてもそれを表に出さないのは、プロとしては必要な才能のひとつと言えるのではないでしょうか。

「どうなんでしょう......。でも実際、私が『緊張している』と言うと、周囲から驚かれることが多いです。いつも緊張しっぱなしなんですけど(苦笑)」

――最終的にスタンレーレディスでは2位タイ。その結果について、うれしさと悔しさ、どちらのほうが勝っていましたか。

「う~ん......。プロになる最大のチャンスを逃したな、と感じたのは確かです(笑)。一方で、やりきった感もあって......。でもやっぱり、悔しさのほうが強かったと思います。

 とはいえ、それを引きずることはありませんでした。その2日後にはプロテストの第2次予選が控えていたので、わりとすぐに気持ちを切り替えることができました」

――そのプロテストでは最終まで進んで、4位という結果を残して一発合格。そしてその後、ファイナルQTでも11位という成績で今季ツアーの出場権を手にしました。それにしても、怒涛の2カ月をすごしていたんですね。

「(その2カ月は)長かったような、短かったような......。スタンレーレディスの時はまだ、無名のアマチュア選手のひとりにすぎませんでした。それが、2位という結果を出して周りからも注目されるようになり、その後は少なからずプレッシャーもありました。

 でも、2位という結果は大きな自信となりました。それが、その後のプロテスト、QTにもうまくつなげられたと思います」

――いよいよプロツアーに挑むことになりますが、佐藤選手がプロで戦ううえで武器とするのは何でしょうか。

「やっぱり飛距離と、スピンの効いたアイアンショットを打てることが強みだと思っています。スタンレーレディスの時も、プロの方々が『今年一番、グリーンが仕上がっている』とおっしゃるほど、グリーンは硬くて、速かったんですけど、そこで(自分は)しっかりスピンを効かせてボールを止められたので。そこは、武器にしていきたいです」

(つづく)

佐藤心結(さとう・みゆ)
2003年7月21日生まれ。神奈川県出身。明秀学園日立高3年。2021年プロテスト合格。2021年ファイナルQT11位。身長161cm。血液型B。

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