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新世紀世代の新たなヒロイン、山下美夢有の才能を開花させた「秘密兵器」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

 デビューイヤーとなった昨年は、開幕から3試合連続で予選落ち。苦戦が続いた要因は、安定を欠いたショートゲームだった。

「(プロ入りして)飛距離は飛ぶようになってきたけど、今度は縦の距離が合わなくなってボギーを打ってしまうというゴルフになってしまった。もう一度、自分のゴルフを見直して、特にショートゲームに力を入れようと思った。振り幅やグリップの位置を変えて、縦の距離を合わせるようにしました」

 プロの水に慣れ、ツアーの戦いを心得えてからは上位に食い込む試合も目立つようになり、予選落ちもなくなった。

 昨年末のオフにはおよそ300万円の弾道測定器『トラックマン』を購入する"先行投資"を行ない、やはりショートゲームの向上に活用した。また、中嶋常幸プロに"弟子入り"を志願し、ゴルフ界のレジェンドにもアプローチの重要性を説かれた。

「以前はショットの練習ばかりでしたけど、今は、一日の半分はショートゲームの練習に時間を割いています。トラックマンを使って、3ヤード刻みで(アイアンやウエッジを)打ち分けられるように練習してきました。ドライバーに関しても、今はちょっと落ちているかもしれませんが、プロ入り時の220ヤードから、20ヤードは飛距離が伸びていると思うんですけど」

 4月上旬のヤマハレディースオープン葛城でも、トップタイで最終日を迎えている。稲見萌寧に逆転を許して優勝こそかなわなかったが、単独2位でフィニッシュし、上昇気流に乗ったなかで迎えた今大会だった。

「ヤマハレディースの時は、追われる立場で初めての優勝争いだった。緊張もあり、負けてしまったんですけど、ティーショットが正確に打てていたし、パットも納得できていたので、収穫のほうが大きかったと思います」

 初優勝をたぐり寄せたのも、ショートゲームだった。

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