2021.04.16

マスターズ取材40年以上の記者は松山英樹のグリーンジャケット姿に何を思う

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 感動の余韻は、今でも消えることがない。

 日本人選手、いやアジア人選手として、松山英樹が史上初のマスターズ優勝を果たした。それは、日本ならず、世界でも印象的なシーンとして刻まれた。

グリーンジャケットを纏った松山英樹の姿が神々しく見えたグリーンジャケットを纏った松山英樹の姿が神々しく見えた  個人的な話ではあるけれども、1974年以来マスターズを取材していて、日本人選手がマスターズの表彰式でグリーンジャケットを着る姿は、きっと生きている間に見ることはできないだろうと思っていた。

 それが2011年マスターズで、松山英樹がローアマとなって表彰式に立った。その時は、自然に涙があふれた。

 同時に、彼がグリーンジャケットに袖を通す姿がいつか見られるかもしれない、という希望が生まれた瞬間でもあった。

「あの10年前がなければ、今の僕はなかったと思う」と松山は言った。そして、こう続けた。

「この10年が、僕にとって短かったか、長かったか、わかりませんけれど......」

 その言葉に、この10年間の松山の努力と苦悩、そして「勝ちたい」という目標とそのための日々が、詰まっていたに違いない。

「努力?......いや、僕はただひたすらうまくなりたい、勝ちたい。ゴルフが好きで、そのためにやってきたので、努力とは思いません」と、松山は言う。