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渋野日向子のリベンジが始まる。
「予想外だった」米挑戦への膨らむ思い (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

 海外で痛感したのは、「ひとりでは戦えない」ということだった。

「私ひとりじゃ何もできない。アメリカで戦うことになれば、いろんな人を巻き込むことになる。かなりの覚悟を持って、誰より私自身ががんばらないといけないというのは、これまで以上に思いました。

 日本とはまた違う難しさは、アメリカでしか経験できない。特にグリーンに悩んで、早くリベンジしたい。今まで以上に、アメリカツアーで戦いたいという気持ちになりました。それは自分でも正直、予想外でした」

 海外から帰国する際には2週間の自主隔離期間が必要だが、オリンピック強化指定選手である渋野は、特例として(感染対策や事前申請などが必要)練習場やゴルフ場でクラブを握ることも可能だったという。

「なるべく人に会わないように、練習させてもらいました。オフは2、3日ぐらいで、だいたいは練習場にいるか、コースを9ホール回るとか。あとは、ゆっくりする時間もかなり確保できた。

 韓国ドラマを見て心が癒されたり、(PGAツアーの)ZOZOチャンピオンシップをコーヒーを飲みながら見たり。実家のわんちゃんに(自分のことを)忘れられていなかったのもよかった。夜は、お母さんと一緒にご飯を作って、かなり喋ることもできた。有意義に時間を使うことができました」

 不在の間の国内ツアーは、同じ『黄金世代』の小祝さくらが好調を持続し、原英莉花が国内メジャーの日本女子オープンを制した。

「かなり刺激になりました。イギリスの2試合で落ち込んでいたんですけど、みんなの日本でのがんばりを見ると、私もがんばらなきゃと強く思えた」

 切磋琢磨し合う同世代から刺激を受け、米ツアー挑戦の青写真を描く渋野の"リベンジ"がスタートする。

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