渋野日向子らしさを随所に見せた。浮き沈み激しい戦いの中で見えた光 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 ティーショットでは左に曲げたところが何カ所かあったけど、そのあとグリーン手前までしっかり持っていって、アプローチでしっかり寄せて、微妙なパットも入ってくれて。ひとつのミスを、あとのショットがカバーできていた、というのがよかった。100点に近いゴルフができて、内容もよかったし、スコアも思っていた以上に出た。(最終日では)この結果を無駄にしないようにしたい」

 ところが、最終日の渋野は大きく崩れてしまった。前半は1バーディー、1ボギーのイーブンで終えるも、後半に入って4ボギー、1ダブルボギーと乱調。通算2オーバー、51位タイでフィニッシュした。

「すごく悔しい......。後半はひとつのミスで、その後のショット、パット、すべてが悪くなった。パットは、ミスヒットしたのも何個かあったけど、まずはラインが読めていなかった。タッチも合っていなかったと思うで、すべてにおいてどうにもならない状態でした。

(メジャーのセッティングの)やりにくさ、難しさを感じました。フェアウェーキープも少ないし、パーオンも少ない。フェアウェーをキープしてもグリーンが速いので、ピンを攻め切れない難しさがあった。

 4日間戦うことの難しさも、あらためて実感した。前半のゴルフに関しては、30点か40点。後半はゼロに近い。むしろマイナスと言っていいくらい。(最終日の)半分で、3日間のゴルフを台無しにしてしまった」

 今季挑んだ海外メジャー2戦目。渋野にとっては、厳しい結果に終わった。それでも、全英女子オープンではあまり見られなかった"渋野らしさ"が至るところで見られた。恐々とプレーするシーンも少なかった。また、渋野自身「メジャーで4日間戦えたことは、自分の経験値を上げられた」と語り、プラス要素はふんだんにある。

 渋野は悔しさをバネにして、成長し、強くなり、見ている者を驚かせる結果を出してきた。次の戦いが楽しみだ。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る